■受けて流せ■
さて、本日の授業で、「現代日本社会と伝統文化」ってのがあるんだが、今日の講義テーマは「人と自然」でありました。日本は、高温多湿であり、地震国であるってことに対して、昔から日本人はどう対処してきたのだろうかってコトが講義の主な内容。
で、一例として、大雨が引き起こす洪水による被害をどう防ぐかってコトで話が進められたんだが、勿論、洪水を防ぐには、川に堤防を築くわけだ。そして、昔のことだから、それは土でできた「土堤」だったワケだ。これは、自然堤防と呼ばれ、何百年もかけて堆積した土砂によって形成されたものであるから、吸水力もあるし、結構強い堤防なんだそうだ。
しかしながら、それでもその堤防に弱い箇所は存在する。で、ここでどう対処するかってコトが、日本と西欧では違うのだ。まず、西欧の場合は、その弱い箇所を補強しようとする。しかしながら、一部だけを補強すると、周りが相対的に弱くなってしまい、今度は周りを補強しなくてはいけない。だが、今度はまた……というように、イタチごっこになってしまって、うまくいかない。それでも、あえて自然に勝負を挑んでいこうとする、これが、西欧のやり方なんだそうだ。
では、日本は、これにどう対処するのか。なんと、まず、堤が破れることを想定してしまう。そして、二重堤防や水路を築く。もしかしたら、その二重堤防や水路も破られてしまうかもしれない。でも、安心。その周りには、田んぼがあるのであります。つまり、水田地帯が貯水池としての機能も果たしてるワケです。でも、この田んぼも破られて、家に水が迫ってくるかもしれない。こんな時の為に、環濠(かんごう)や還湟(かんこう)という堀を作ったそうな。これが、最終防御策なんだが。まあ、こうして、自然に力に敢えて逆らおうとしない日本人の気質が想像されるワケです。
で、要約しまくると、「西欧は、人の力を自然にぶつけ、挑んでいく」ってな傾向があり、一方で、「日本は、自然に対して、人の力なんぞ及ぶワケがないと承知し、自然の力を受け止めて流そうとする」ってな姿勢がみられるそうな。
筆者も日本人だし、自然だけに限らず、ある程度の事は、受け止めて流せるぐらいの人間になりたいもんです。
お詫び 筆者の機嫌が悪くなる一方でして、日記の更新が大幅に遅れておりました。根気よくアクセスしてくださった皆様方には、この場にてお詫び申し上げます。
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