このように、茫漠とした頭で、日々が滑っていくのは、 世に聞く「オーバーワーク状態」ではないだろうか。 たいしたことはしていないが、人によってキャパシティは違うだろうから、ありうる。 秘書のような人か、アルバイトの人か、プロデューサーみたいな人か、 そういう人がいたら、 スケジュール管理と、メールの遣り取りと、どの仕事を受けるべきかの決定と、プロデュースと、広報と、ホームページ作りと、他の場所への移動手段と、FAXや郵便の管理と、経理と、交際と、ネゴシエーションと、 いろいろしてもらえて、きっとありがたいだろう。 どうしたらいいのか。 でもこの仕事量がいつまで続くかわからないので、やっぱり贅沢だろうか。 ともかくも、仕事は好き。 なんでもそうだと思うが、好きなポイントがある。 ・胸の中に浮かんでは消えるものを掬う。 ・ペンでノートへ、小説を書いていく(すでに、この時点で、お金がいらないくらいの、満足感がある)。 ・テキスト作り。 ・だめだしされたことに、期待されたこと以上のレスポンスができる。 ・ゲラの校正(テトリスにはまるように、夢中になる)。 ・装丁が仕上がっていく過程で「うわあ」となる。 ・本という形が見えてくる。 ・紙の匂い。 ・ページの触感。 ・書店の棚。 ・読者との出会い。 今は、4月に出る『男と点と線』が一番楽しみ。 (対談や、著者インタヴューなどの、雑誌の仕事ももちろん面白いが、 それも「本を読んでくれる人に出会えるかも」という気持ちが大きい。 本作りには、深い快楽がある)。
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