初めてのところで髪を切るのは緊張する。 「明日はどこか行くんですか?」 「大学の友だちに会います」 「大学、いいですね。友だちできますよね」 「できました」 「僕は、勉強きらいだから行かなかったんですよ」 「でも、美容師さんになる方がたいへんですよね」 「好きなことは平気なんです。好きな勉強ってありました?」 「国語です」 「じゃ、本が好きなんですね。僕も、最近小説読むようになったんですよ」 「たとえば何ですか?」 「『野ブタ。をプロデュース』とか」 「あ、私も読みました。面白いですよね」 「僕、青春もの好きなんですよ。けど、最近のって、不倫の話とか多いじゃないですか。そういうのは、えーって思うんですよ」 それで私はやばいと思った。でも、私のはそんなにどろどろしてなくてさわやかなんです、と、思ったけど、話をかえて、映画の話や、「首都圏ニュース845」の真下キャスターが好きな話などをする。 この前、久しぶりに夢を見たと思ったら、 チャン・ツィイーが宇宙ものに出ていた。 (もっと素朴な映画に出てくれ)。 私は自分の夢の中に、自分が登場しないことがよくあるのだけど、 これはフロイトに言ったら、なにか言われるだろうか? そういえば、私は最近引っ越しをしたのだけれども、 いまだまだまだスムーズに住所を書くことができず、 最初に書く漢字を間違えて、しまったと思って、 その後、一番最後にその漢字を書いてしまう。 これはフロイトになんか言われそうだ。 大学のときの友だちがDJをするというので、フタコタマガワの川辺に行ったら、 道に迷って間に合わなかった。 久しぶりに会った友人に「友だち増えた?」と聞かれたので、「増えない」と答えた。 友だち、増やしたい。 が、そのときも、 ふと気が付くと、そのイベントから離れてひとりで川辺に寝転んで星を見ていた。 大人になったとはいえ、これからもっと友だちが増えるといい。
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