本や映画などで、季節の入ったタイトルがある。 『8月の……』、『……の夏』だとか、『冬の……』など。 物の名詞が入ったタイトルなら、ぱっと浮かぶのは映像だったり、触感だったり、 動詞だったら、行動するイメージが湧く。 季節の言葉というのはもっとすごくて、 夏、ならば、汗、だるさ、蝉の声、麦茶のコップ、プール、 そんなものが、うわっと出る。 人は何度も何度も季節を通り越して来ているので、 季節のイメージを丹念に作り上げている。 俳句に季語を入れるルールがあるように、 季節の言葉にパワーを感じる人が多いのだろう。 万人に共通するイメージがあると信じられている。 そんな言葉をタイトルに入れる人は、 他の人と季節のイメージを共有できると信じている可愛らしい人だ。 信じられてるからには私も、よーし、と受け止める。 「なになに、どんな夏なのー!?」としっかり感じてあげる。
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