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[2004年04月21日(水)] 心と呼ばれる概念についての、適当な考察。

 身体のずっと奥の奥。

 身体の中のどこかにあって、どこにもないもの。こころ。





 泣き出してしまいたいほどの感動は喉元。

 叫びだしたいほどの激しい衝動は腹の下。

 ずきりとした苦悩は額の辺り。

 触れ合いたいと求めるぬくもり。笑うということ。怒り。憎悪。思慕。感嘆。





 昔の人は、胸にこころがあるのではないかと推測した。だからそこにある器官を『心臓』と名付けた。

 しかしそこにあったのは結局、血液を全身に行き渡らせるためのポンプだけ。

 ならば思考を司る脳みその中に心はあるのだろうか。

 でも、それじゃ夢がない。

 ただの電気信号によるものだろうが、心は絶対にある。でも、絶対に見つからない。

 では、どこに?

 実は人間という存在そのものが心という概念ではないのだろうか。

 どこかの部品ではなく、それ全体の存在。





 故にどれだけ人間を模写した存在を作ろうとも、それが人間でないのなら心はもち得ない。

 しかし、それが人間であろうとするのならば、どれだけヒトとはかけ離れた存在であろうとも、人間たりえるのではないのだろうか?






 などと妄想する心地よい春の日差しの中。





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