Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2019年10月26日(土) |
タダマス35リワインド |
タダマス35リワインド
2,4、7、8、10、おれ推奨、5つも、年間ベストはどうなるのだろうか!、秋は新譜が濃い、
この「Aspen Edities」レーベル、ベルギー、やばいと思う、 ■
ゲストの柳沢耕吉はリュックフェラーリのPrix Presque Rien(プレスク・リヤン賞)2017で大賞受賞したという才能、即興演奏家でもある、益子博之の耳のアンテナに共鳴し連絡をしたのが発端だとか、NYダウンタウンシーンにも明るく、その明晰な理解、端正なルックス(そこ?)、
人類の未来は明るい、
ではつらつらと、
1. Emma Frank Come Back (Justin Time Records JUST 262-2) track 3: Two Hours (Emma Frank) 4:26 track 8: Lilac (Parks/Frank) 3:16
声のトーンが下がったもあるけれど、ピアノの音像が抑えられてか、声の響きと合わせて、体表で気持ちいいというのが先立つ、
Autonomous Sensory Meridian Response (ASMR) は、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、頭がゾワゾワするといった反応・感覚(正式な・あるいは一般的な日本語訳は今のところ存在しない)。 ーwikipediaー
2. Chris Speed Trio Respect for Your Toughness (Intakt Records Intakt CD 336) track 4: Faint Tune (Chris Speed) 3:17 track 10: Transporter (Chris Speed) 5:15
クリススピード!トリオの演奏はトリオの個々の音を追うのではなく、音圧を体表で受ける構えで聴くのだ、心臓マッサージで鼓動が高鳴るかんじ、益子の掲げるタクタイル触覚的なとはこれなのか、
個々の音を追うとフツーのジャズに過ぎないと断ずる向きにおちる、「クリススピードの棒読みトーンの、この快楽は何なのか!わけわからん」というのが一貫したわたしの思いなんだが、
シーンに身を置いていたゲストの柳沢耕吉は、クリススピードはすごい人気なんだという、トニーマラビーはシーンにおけるメンターの存在らしいがクリススピードもそういうシーンの先導的なところにいるんだな!、だろ!
3. Reid Anderson/Dave King/Craig Taborn Golden Valley Is Now (Intakt Records Intakt CD 325) track 1: City Diamond (Reid Anderson) 5:54 track 4: This Is Nothing (Reid Anderson) 6:28
今さらメルドー〜ジュリアナやらんくてもいーよの第一印象だったけど、暗黒不条理SF昏迷奇怪ワールドの名盤Christopher Hoffman 『Multifariam』、へと、耳の水脈が誘われてしまう、やばい、
おれの耳が導かれている快楽は、死語ジャズなんかじゃねーんだな、ヘンな音楽と言わば言え、むかしお茶の水ジャニスに行って輸入盤レコードのビニル薄皮を剥がしたよな匂いに、人外魔境なイマジナリーワールドを視てしまう少年性、何書いてるんだ、
4. Guillermo Klein y Los Guachos Cristal (Sunnyside Records SSC 1567) track 1: Melodía de Arrabal (Carlos Gardel/Alfredo Le Pera) 5:32 track 5: Burrito Cristal (Guillermo Klein) 6:11
タダマスゲストに橋爪亮督が来たときにウルトラ変拍子な『カレーラ Carrera』をクラップハンドで解説してみせてくれたことを思い出す、そのギレルモ・クライン、おおーゲストの柳沢耕吉は作曲を師事していたんだとのたまう、
こ、この、圧倒的な、勝利感!、変拍子的ラテン構築だとは気付かせる前にまさに生命体の躍動を現出させる、見せつけるような高み、強度、人類にここまでの達成が可能なのか、ラージアンサンブル史に燦然と輝く名盤に立ち会えたことをおれはここに宣言しておく、もうあれもこれもいらない児戯だろ引退しなはれ、いいか、おれが宣言の一番乗りだからな!、益子を睨むとわたしが選曲したんですけどという目、
5. Taylor Ho Bynum 9-tette The Ambiguity Manifesto (Firehouse 12 Records FH 12-04-01-032) track 1: Neither When nor Where (Taylor Ho Bynum) 5:24 track 7: Unreal/Real (for Old Music) (Taylor Ho Bynum) 9:27 Taylor Ho Bynum - cornet, flügelhorn; Bill Lowe - bass trombone, tuba; Ingrid Laubrock - soprano & tenor saxophones; Jim Hobbs - alto saxophone; Mary Halvorson - electric guitar; Stomu Takeishi - electric bass; Tomeka Reid - cello; Ken Filiano - double bass, electronics; Tomas Fujiwara - drums.
わはは、この豪華絢爛な、“ザ、ブラクストン、一派”、の、ぎこちない変態パラレル大編成、4曲目のギレルモのあとに並べる益子選曲の凶悪ないじわるに負けるな、うん、負けない、百戦錬磨の業師がリングで次々と技をかけまくるサーカスの様相を呈してもいる、楽しいじゃないか、ブラクストンの教え子たち、師匠を越えてますがな、いやー師匠のことは言わんどいてーな、
6. Anaïs Maviel In the Garden (Gold Bolus Recordings GBR 043) track 1: Bells (Anaïs Maviel) 2:56 track 4: Listening (Anaïs Maviel) 7:47
ハスミレマの紹介で聴いてみたという、女声ヴォイスパフォーマー、アナイスマヴィエル、
むかしメレディスモンクに出会ったときのような(もちろん似てはいない)、表現の単独性に打たれる、憑依系巫女ヴォイス(Cホソダさん)に到達するまでの必然やら、ザ表現、だな、タダマスメンバーの原田さんも池田さんも唸る、カートに入れている、
おれはハスミレマのソロの意識が旅する単独性のほうが好みである、とお門違いな感想を述べた、
7. Shahzad Ali Ismaily/Niels Van Heertum Sea Legs/Hum Back (Aspen Edities Aspen 006) 8. Poor Isa Let's Drink the Sea and Dance (Aspen Edities Aspen 007)
この「Aspen Edities」レーベル、ベルギー、やばいと思う、 ■
ユーフォニウムなりバンジョーなり、その楽器のサウンド特質を脱構築している、事態にとどまらない、それは、気配とか、態度とか、構えに属する、耳の直感なんだが、それはねインプロ用語をちょっと横に置いといてよとも言いたい(もう使わないほうが自由になれるよとも言いたい)、
手法や思考に還元してしまうとそれはもう、ほぼほぼ戦後現代音楽がすでに拓いた場所だと鼻であしらわれる不毛に放置されてしまうよ、
チガウのよ、新しい風景であることはわかっているのだけれど、名指せないいまのわたくし、
タダマスメンバーの池田さんから、普段好んで聴いているような音でしたー、と感想をいただいていた、焦る、出遅れてしまっているのかニセコロッシ、
なぜ、魅せられて、いるの?、いやもう、この場所は、現代ジャズだのインプロだの言ってはおられない、あ、言ってるのはこのオレばかりなのか、わかった、白旗あげるよ、
9. Tyshawn Sorey and Marilyn Crispell The Adornment of Time (Pi Recordings PI 83)
現代ジャズの新皇帝タイション(おいおいここでまた現代ジャズと書くおれ!)、と、マリリンのデュオ、何できるの?ドシャバシャ打音で技繰り出してピークを作って戦ってお終いなんじゃないのー?、というわたしの低レベルな予想を覆して、 track 1: The Adornment of Time (Sorey/Crispell) 0:00-7:12, 23:02-29:06
さすがの益子博之は聴きどころを抽出してくるのであった、
闇の深さ、である、なんというディープな音場感なのだ、鳥肌がたつ、苛烈だ、
2001年にクリスペルのアマリリスを聴いた菊地雅章が「彼女は長いことかかるだろうな」と意味深なコメントをしていた、
10. Flin van Hemmen Casting Spells & The Coves (Neither/Nor Records n/n 012)
前作 Flin van Hemmen: Drums of Days (Neither/Nor Records N/N 005)
4曲目Aching Arches 16:38 は長尺ながら編集CDRの常連で、演奏それ自体ではなく、フィーレコと音像が到来させるアトモスフィア、一編の映画のような、インプロ耳を一瞬たりともオフできない快楽、それら、
大傑作、と、いつも言い、レビューか何か書いてもいたような気がするが、リンクを貼ろうと探してみるんだが(あれれ、どこにある?)、フリンちゃん、フリンヴァンヘメン、期待の怪物ルーキーなのだ、
2年かけて編集しているのかー、
ゲストの柳沢耕吉が、インプロとフィーレコを使った表現が、とか、フツーに話していることに感慨深く、もう一般化している感覚なのだ、ここで言う「インプロ」には往年の思考抑圧は無い、
聴取の強度、を、持続させられる、ということ、(おれはそれを、謎が持続していると形容する)、
音楽は無限に平等なのではない、安易なもの、拙いもの、これみよがしなもの、レベルの低いもの、聴き手を騙そう騙そうと努力が透けて見えるもの、いわば、下衆なもの、で、それだからこそ愉しむという悪徳もアリです、が、いやもう人生を楽しむ余暇のために音楽を聴くヒマなんてないよ、
フリンヴァンヘメンの2年かけた新作二枚組、このところこればかり聴いている、
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