Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2015年09月17日(木) |
CDR「民衆芸能MIX」曲目 |
レインボーブリッジから見てまたたく間に有明の手前に積み上がってきた巨大な建物は何だろうと確かめるとユニクロの倉庫だそう。新築地市場の奥に今はマンションも厳しいだろうけど、ユニクロは傾いてもいつでもここを巨大プロジェクトに転売できるだろう。
CDR「民衆芸能MIX」曲目 1. 神楽(かぐ)ばやし/水口(みなくち)ばやし八妙会 2. 神輿音頭木遣/三宅島、沖山賢三・佐久間久治・宮下福松 他 3. 十五夜綱引唄/宮崎県都城市郡元町・有志 4. 毛越寺の延年「花折」/岩手県・毛越寺の稚児舞 5. 義太夫「野崎村の段 段切れ(新版歌祭文より)」/竹本土佐太夫 6. 正調安来節/二代目 お糸 7. 山中節/金津屋米八 8. 那覇/里国隆 9. 伊予万歳「松づくし」/愛媛県・伊予万歳 10. 加賀万歳「式三番」/加賀万歳保存会 11. バカバヤシ〜手締め/海老瀬峯の祭り囃子 12. おわら節/高岸千代 13. 津輕小原節〜煙草づくし/初代 津輕家すわ子 14. 大償の山伏神楽「権現舞」/岩手県・早池峰山の山伏神楽 15. 滑稽音曲掛合咄/豊年斎梅坊主 16. 相川音頭(源平軍談) 「どうぞ九郎を討つべきてだて〜」/村田文三 17. 神崎東下り/桃中軒雲右衛門 18. 歌沢「夕暮れ」/四世 歌沢寅右衛門 19. 文弥節「源氏烏帽子折 伏見の里の段」/中川閑楽 20. おしらの祭文/東北のイタコ(不詳) 21. 東大寺二月堂修二会「五体」/東大寺練行衆 22. ピートコトッチャン/赤沼の獅子舞
0000 神トラックのイントロ。揺れ重なる笛のトーン、カチカチと金属が歩む速度、小太鼓がトコ、トコ、と。「いーよーお」、ゆっくりと男声掛け声。陶酔の静寂が覆う。
1. 神楽(かぐ)ばやし/水口(みなくち)ばやし八妙会 CD『滋賀県指定無形民俗文化財・水口曳山祭 水口ばやし』より。2003年頃の録音? 曳山(ひきやま)はいわゆる山車(だし)のこと。滋賀県の南部・甲賀市、水口町(東海道の宿場)の水口神社で、毎年4月20日を中心に行われている。
0424 「ふんはー、やー、れー」男声ソロが朗々。若い衆の威勢のいい掛け声とのかけあい。
2. 神輿音頭木遣/三宅島、沖山賢三・佐久間久治・宮下福松 他 CD『日本民謡大観 関東篇』より。 三宅島三宅村阿古の住民(当時60代)による唄、1968年8月1日録音。 江戸木遣りをそのまま持ち込んだものといわれる。
0716 キロンキロン、と、魅惑の金属音。女声ソロ。太鼓がダンダンダンと囃す。スローなかんじがいい。
3. 十五夜綱引唄/宮崎県都城市郡元町・有志 CD『日本民謡大観 九州(南部)・北海道篇』より。 宮崎県都城市郡元町の地元有志、1951年11月の録音。 九州から沖縄にかけて多い(鹿児島で特に盛ん)、旧暦8月15日夜の網引き行事。
1022 複数の童声「いーんざ、・・・」と始まる。竹棒を叩く音。大人の声でフレーズを繰り返しているよう。子どもたちの声がたまらない。
4. 毛越寺の延年「花折」/岩手県・毛越寺の稚児舞 筑摩書房刊『邦楽体系・第十二巻・郷土芸能』より。(CD版/録音年代不明、音源はビクター) 岩手県毛越寺、正月二十日に行われる「延年」の稚児舞。 いざさら花を折り持ちて 当社に手向け申さん 夫れ当山な 東に大河流水 衆病悉除の願海に入ることを表し 西には重山連って 松風琴を調む 昆明池の勢をなす凡そ四方登臨の興 まことに当社繁昌の霊地を示し候 各々榊の枝を折って 当社に手向け奉るべく候
1345 荒い男声で、義太夫。「さらば、おさらば」、はなはだ演劇的。三味線もこれは国宝級。
5. 義太夫「野崎村の段 段切れ(新版歌祭文より)」/竹本土佐太夫 CD『世界民族音楽大集成 2 日本の民族音楽』より。(録音年代不明、音源はキング?) 浄瑠璃、竹本土佐太夫(七代目/1894〜1968)。三味線、野沢吉兵衛、豊沢広若。
1812 軽快な民謡。やすき節?三味線と鼓との合奏も見事。
6. 正調安来節/二代目 お糸 CD『民謡いちばん(SP原盤復元)』より(録音年代不明) 唄、安来節家元・渡部お糸(二代目、本名・川島ナミ/1894〜1956) 鼓、二岡清三郎。三味線、富田令壽。
2132 朗々とスローで。はあーあ、あまんみとめた、きょねんのごがつー、しょうぶのゆのなかでー、はあーあー、うちのー
7. 山中節/金津屋米八 CD『民謡いちばん(SP原盤復元)』より(録音年代不明) 石川県加賀市でうたわれる民謡。山中温泉の芸妓、米八(福井県坂井郡金津町生まれ、安実清子/1909生?)によって広まる。
2440 アップテンポ、太鼓と三味線、チャンカチャンカ、タタンカ、タンタン。高揚する名人芸。
8. 那覇/里国隆 CD『あがれゆぬはる加那』より。奄美、放浪の「たて琴」弾き「里国隆(さと・くにたか/1918〜1986)」1970年頃の録音。 この曲ではうたと三味線だが、この「たて琴」はいわゆる琴を縦向きに担いで弾く。
2933 はじまりー、はいやあ。女声の早口の口上。ドン、ドドン。大太鼓。祭囃子。
9. 伊予万歳「松づくし」/愛媛県・伊予万歳 筑摩書房刊『邦楽体系・第十二巻・郷土芸能』より。(CD版/録音年代不明、音源はビクター) 愛媛県松山などに広く行われる万歳。門付はせず、主に舞台芸・座敷芸として発達した。女性も参加する。
3057 万歳。日本語の至芸。意味がわかるともっと面白うだろうなあ。
10. 加賀万歳「式三番」/加賀万歳保存会 CD『日本民謡大観 中部篇(北陸地方)』より。 石川県金沢市、加賀万歳保存会、1952年1月19日の録音。越前万歳の流れを汲む。 御万歳 徳若にや御万歳とや 君も栄えましませば 天より宝が振り 地より草木出生すれば 昔より物の上手は誰れ誰れじゃ 飛騨の匠 竹田の番匠は物の上手で候いける このおっとりなんぞやかわらくんで とわいとうこや こいとやまの 唐土の様を学んだり 我朝に持って参り候いける この京を立てて御万歳と 昔の京は難波の京 この中頃は奈良の京 この今京はの世の中は 各々太平たいらの京 この比叡の山の三千坊 この坂本は六かんしょうごのごほんもん 九重内裏の数を数えて見れば 一千七百七十四人の内裏番匠 心願強固の智者かんな 当年よりもかいからくんで三万二千の番匠たちが 参り来られ候いけるこの春初めの御山入りのいでたちに持ちける道具は何々 上品錐と上品尺と すみと矩とやまさかりと おっとり直して入りける御山はとりどりじゃ 檀特山や須弥山か…
3230 夏祭り。ピーヒョロ、笛。演奏が自然派生的に複雑なリズムにグルーヴする開放感。
11. バカバヤシ〜手締め/海老瀬峯の祭り囃子 CD『埼玉県の民俗音楽 北川辺の祭り囃子』より。 板倉町海老瀬峯の春祭り(1964年録音)他、詳細不明。 旧・北埼玉郡北川辺町、現・加須市の祭り囃子をまとめたCDだが、海老瀬峯は隣接する群馬県板倉町のはず。 (この「埼玉県の民俗音楽」CD版シリーズ初期は、CDと解説が別パッケージだったので、中古流通した場合、解説がなくなっていることが多い。そのため詳細が分からないことが多々。)
3519 座敷小唄に展開。これも名人の域。背景のヴァイオリンを擦るような音の詩情がたまらない。
12. おわら節/高岸千代 CD『俚謡 越中 おわら節』より。1941年録音。 越中、富山の民謡。 擦るような音は、擦弦楽器「胡弓」。三曲、民謡で広く使われたが、尺八に取って代わられる。 北陸、関西では残る。SP盤の音源をまとめたCDから。
3830 これはなんとか追分とかかなあ。農村っぽい感触に、まったりする。
13. 津輕小原節〜煙草づくし/初代 津輕家すわ子 CD-R『津軽民謡たねいた祭り 幻の初代・津輕家すわ子 憧れの三味線・梅田豊月』より。 唄、初代 津輕家すわ子。三味線、梅田豊月。太鼓、梅田かつゑ。 初代 津輕家すわ子(1888〜1859、五所川原出身)、津軽初のプロ女性歌手。 梅田豊月(1885〜1952、五所川原出身)、白川軍八郎・木田林松栄・福士政勝・高橋竹山ら名だたる津軽三味線奏者たちの先人として尊敬羨望されていた人物。 SP盤からの復刻音源集。
4203 一転してポリリズム的興奮のるつぼ。チャンカチャンカ、ドンドドン!ドンドドン!空間的録音もいい。
14. 大償の山伏神楽「権現舞」/岩手県・早池峰山の山伏神楽 筑摩書房刊『邦楽体系・第十二巻・郷土芸能』より。(CD版/録音年代不明、音源はビクター) 岩手県早池峰山麓に伝わる山伏神楽。
4320 語り芸。落語寄り。あーこりゃこりゃ、かぜをひいたよ、相撲取りかぜ、・・・。
15. 滑稽音曲掛合咄/豊年斎梅坊主 CD『幻の庶民芸 豊年斎梅坊主』より。 明治〜大正にかけて「かっぽれ」「阿呆陀羅経」など江戸庶民芸で一世風靡、 豊年斎梅坊主(ほうねんさい・うめぼうず/1854〜1927)明治末期〜大正初期の録音?
4615 歌舞伎的?な民謡。掛け声「はいはいはいはい」。
16. 相川音頭(源平軍談) 「どうぞ九郎を討つべきてだて〜」/村田文三 CD『村田文三全集』より。 村田文三(1882〜1956)といえば「佐渡おけさ」、ここでは佐渡を代表するもう一つの民謡「相川音頭」を。昭和4年の録音。 源平合戦を題材にした軍記物。
4922 浪曲。だみ声の名人。古い録音。
17. 神崎東下り/桃中軒雲右衛門 CD『〈浪曲〉桃中軒雲右衛門』より。 良くも悪くも現代につながる「武士道鼓吹」的浪曲の基礎を作り、一世を風靡した桃中軒雲右衛門(1873〜1916)。明治末期〜大正初期の録音?
5228 歌もの。女声のもの。
18. 歌沢「夕暮れ」/四世 歌沢寅右衛門 CD『邦楽芸能全集 SP盤復刻』より。 唄、四世 歌沢寅右衛門(1872〜1943)。三味線、歌沢寅秀(四世の娘、後の五世 寅右衛門) 昭和初期の録音?? 幕末に端唄から派生。端唄ほどあっさりしすぎず、浄瑠璃ほどこってりしすぎず、短い中に巧みな節をまとめた「うた沢(うたざわ)」 寅派(歌沢)と芝派(哥沢)に分裂。ここでは寅派のうた沢。
5510 語り物。神がかり的低音のもの。このあたりの声の技の連続はトリップさせられる。日本語の本来のイントネーションとか、失われたものを知る。
19. 文弥節「源氏烏帽子折 伏見の里の段」/中川閑楽 『東郷町文弥節人形浄瑠璃調査報告書』(鹿児島県東郷町教育委員会・2002年刊行/附録CD-ROMより) 東郷町の文弥節と比較用に収録された「佐渡」の文弥節。中川閑楽(1871〜1963)の録音。詳細不明。 新潟県佐渡、石川県尾口村、宮崎県山之口村、宮崎県東郷町に残る人形浄瑠璃。
5704 念仏的でさえある独唱?民俗芸能。極まった世界。
20. おしらの祭文/東北のイタコ(不詳) 筑摩書房刊『邦楽体系・第十二巻・郷土芸能』より。(CD版/録音年代不明、音源はビクター)
5858 ついに修二会。伽藍的音響。声明。金属音。あの世の打音。梵鐘。
21. 東大寺二月堂修二会「五体」/東大寺練行衆 CD『お水取り/東大寺二月堂』より 初夜の悔過作法「五体」、いわゆる五体投地。 二月堂の礼堂に敷かれた五体板に、膝から身体を投げ打ち悔過(けか)。
6133 現世に還ってくるような祭りばやし。子どもの声。人々の雑踏。拍手。
22. ピートコトッチャン/赤沼の獅子舞 CD『埼玉県の民俗音楽 春日部市赤沼の獅子舞』(平成6年現地録音) 埼玉県春日部市の南東部、古利根川と中川に挟まれた「赤沼」という地区の獅子舞。道化の所作で舞う、曲名は笛の音からとも「火男(ひょっとこ)父ちゃん」からとも。
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