Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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平田王子の「山形」は、さらにすごくなる。 しつこく繰り返し聴く走性で聴くのだ、意識が集中する、これは日本の伝統音楽に通じている、なんてふと思う、 こんな声のひとは知らない。
いつライブに行けるだろー
月間100ペースのお仕事はこなせるけれど、時間の過ぎかたがちがうのでとまどう。
「デュオは少しずつ変化したり、深化したりしています…。日本でブラジル音楽が好きな方は、ブラジルからのタレントの来日を待つこともないのです。東京在住のこの比類なきピアニストをぜひ聴かれるといいと思います。私は、作曲者ACジョビンに聴かせたら、さぞ驚いたことだろうと思っています。」
軽やかに涼しげなメロディーなのに、そのワンフレーズだけで、遠方に故郷を持つ上京組の涙腺を緩ませるのは、言葉の意味だけではなく声の透明な情感。
平田王子(ひらたきみこ)が、「山形」はじつは古い曲で、細かい修正を重ねて重ねてずっと来て、このたびやっと納得!という気持ちになれたので収録してもいいと思えた、と記している。
CD『緑の森』には11曲目に収められていて、ライブで聴くまでつい気付かないでいた。
音楽は風土を運ぶものだ。風土は、幼少期にしか感受できない。生まれついた土地の日差し、深緑の色彩、湧き立つ草花の匂い、母親の体液の匂い、風の色、父親の庇護する声。
★
track 352 炎と森のカーニバル / 世界の終わり 2014.4.9 track 394 Do They Know It’s Christmas ? / Band Aid 1984
台風18号が近づく日曜の夜に、四谷三丁目の綜合藝術茶房・喫茶茶会記(さかいき)で、平田王子(ひらたきみこ)と渋谷毅のデュオ“LUZ DO SOL”のライブを聴いた。
その帰り道は彼女の「山形」と、セカオワの「炎と森のカーニバル」が耳に鳴り続ける夜。
You Tube > https://www.youtube.com/watch?v=w9V3x61D994
このYouTubeの視聴回数は12,404,679だって。小学生の子どもがいる主婦友だちから、セカオワのベスト編集CDRを頼まれたので全曲CDRにしたぜ、すごい人気だ。雑誌サイゾーでは、セカオワの歌詞があまりに中二病であると問題視する記事が。読みました。
セカオワの声色に潜む、ときに狂気と隣接しているかのような純粋な哀しみ、極端な妄想。童心そのものの属性。Fukaseが自転車に乗りながら歌詞を作るときに、子どもから爺ちゃん婆ちゃんまで理解できる平易なコトバを心掛けていると発言するのをテレビで観た記憶があるから、いろいろな複雑な生育をしたFukaseがブレイクスルーするのに、そのコトバに辿りつく距離の計測または妄想行為までがリスナーの享楽に資する構造になっている。
だけど、これだけわかりやすい歌詞を、ぼくはその字義どおりに聴いていない。
デビューで放った「幻の命」「虹色の戦争」のメンタリティーを、二つの絶望のコアとして、救済へと、ディズニーランド的なる場所へと、マーチ、行進曲で。
絶望からディズニーランドへ、は、山口泉著『宮澤賢治伝説−ガス室のなかの「希望」へ』河出書房新社だな。やはり中二病だ。
そう、鐘を鳴らせて空間的にインするサウンドは、バンド・エイドの「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」1984だな。30年だ。付き合っていたガールフレンドに、すごいシングルだと自慢したり、部屋で一緒に『風の谷のナウシカ』を観たり、集めはじめたECMのレコードを部屋の天井に並べて飾ったり、今となってはとても恥ずかしくて書けない大学生だが当人は至ってそれでまじめだった気がするし、タガララジオ自体がそういうものだというやっぱり感も。
「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」のデモは、ウルトラヴォックス、ヴィサージのミッジ・ユーロ(from スコットランド)だったんだね。懐かしのあの人は今というやつ。ボーイ・ジョージの声はいいねー。
You Tube > https://www.youtube.com/watch?v=bjQzJAKxTrE
練馬区練馬東中学校の自己紹介+自画像が教室には貼ってある風景は、今も昔も。2クラス分チェックしたけれど、ジャズやクラシックを聴いているガキはひとりもおらなんだ。4割近くが、好きな音楽にセカオワを記入しているのが衝撃だと思う。2位がきゃりーで、3位がバンプ、以下、西野カナ、嵐、SMAP、ビートルズが1・2票という感じ。ゲームの音楽を挙げていた子もいた。
「LMFAO」と書く男子がいて、お!「LAFMS」を聴く中学生が居るのか!すごいなあ!と思ったが、ちょっと全然違っていた。ちなみに「LMFAO」のほうは、モータウンの創始者の息子と孫のラップ・デュオ。
羅府夢衆展 − LAFMS (Los Angeles Free Music Society) and Their Friends in Slow Life Avant-garde http://miminowakuhazushi.blog.fc2.com/blog-entry-311.html
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