Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2014年01月06日(月) |
福島恵一「竹田賢一『地表に蠢く音楽ども』について」 |
「Henry Cow〜Art BearsとCharles "Bobo" Shawの重ね合わせ」
なんとも衝撃的な切り口である。
耳の枠はずし 「竹田賢一『地表に蠢く音楽ども』について On "Musics Wriggling on Earth" by Ken-Ichi Takeda」 ■
「視界に浮上してくるシーンとして、John Zornのゲーム・ピースやFred FrithとTom CoraによるSkelton Crewの活動、Materialのネットワーク戦略等を彼がいち早く採りあげたNYダウンタウン・シーンや、Marvelous Band周辺のその後と言うべきLouis Sclavis, Michel Doneda等の活躍(NatoやSilexレーベルの検証を含む)等を配すれば、これは現在でも充分語る価値のある「手つかずのまま放置された」課題領域、いや現在にこそ語るべき「隠蔽/忘却され無かったことにされてしまっている」アクチュアルな問題領域と言うことができる。」
竹田賢一と福島恵一は同じ視点を共有している。
この記事に触れられたアーティストの音源を9割以上はわたしも同時代的に耳にしていたはずだ。
あれはすごい、これも良かった、あのトラックがツボだわー、これはよくわからなかった、と、レコード屋に通うことにかけてはがんばっていたわたしだけれど、
「ロフト・ジャズという「フリー・ジャズ以降」のムーヴメントがあったものの、それらは勃興を遂げるフュージョン/クロスオーヴァーの陰に霞んでいく存在であって、ましてやそれらがプログレッシヴ・ロックのよりアンダーグラウンドな、あるいは英米以外の地域限定的な展開や、あるいはヨーロッパに飛び火して独自の変容を遂げたフリー・ジャズやそこから派生したフリー・インプロヴィゼーションなどと結びつくとは思いもよらない」のは、おれではないか!
思いもよらないことも無かった。
『ジャズ』誌の杉田誠一は、『アウトゼア』誌を創刊して降りてしまう。『ジャズ』誌でこれだけの海外盤紹介コーナー「Disk In the World」を連載していた杉田誠一に、『アウトゼア』創刊号で新譜レビューを書くオファーをもらったわたしだったのだから、堀内幹事長の言うとおりに新譜レビューを弛まずに書くほうがいいという助言が正解だったのだ。
『ジャズ・ライフ』誌の清水俊彦のコラム、『ジャズ批評』誌の福島恵一新譜紹介のページ、『ミュージック・マガジン』誌のマーク・ラパポート「じゃずじゃ」、com-postの益子博之の新譜レビュー、を、手がかりにしてリスナー生活してきたが、生来のヒットチャート気質と編集カセット制作ライフでもっておのれの耳の快楽中心世界を張り巡らせているばかり。
まったく偉そうな断言ばかりの多田は・・・
90年代後半に竹田さんはニフティ・フォーラムのECM部屋によく書き込みをいただいていた。仲間のひとりはコンビニで働いていたら竹田さんが来て未発表音源を聴かせてくれたと喜んでいた。おれも人生の切ない相談事で助言をいただいたり。A-Musikのライブで歌う竹田さんに揺さぶられて、なんでこれ音盤にしないんだーと震えていた夜もあった。
「情報はすべてネット上にある」わけない。
竹田賢一さんと福島恵一さんが対談するのを聞いてみたい。
写真は昨年末のカフェズミ演奏のもの。おれは行けなかったー。益子さんはすごいフットワークで。
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