Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2013年12月22日(日) |
耳の旅路第3弾、『Stilllife』 |
耳の旅路第3弾、『Stilllife』。タイトルを検索してもメセニー盤ストーンズ盤しか出てこない謎盤。
虫の鳴き声、野外のざわめき、森の奥のほう、街の音は聴こえない。羽音が至近距離なので、粉が降りかからないか本能的な恐怖を感じるが遠ざかってゆく。
いまの私には仏性が立ち降りてくるように聴こえる。
昆虫のざわめきの中に、フォーカスが合わさってゆくのはかすかにだけど明白な人的な行為の音、・・・演奏だ、が、埋もれたまま、または調和した状態のままに忘却するかの如く。
ホーミーのような倍音を響かせて笛?の音色が彼方から漂いはじめる。
子どもの頃、砂川の街の夏休みは夕暮れになると終わりのない盆踊りの旋律が遠くから鳴っているのだった。まーやん、踊りに行かないのかい?とおばさんの声。踊るのなんてめんどくさいからいやだ、じっと二階の窓から遠くの音を風景とともに眺めている。窓の古い木枠を指でなでている。いつかこのことを思い出すことなんてあるのだろうか。ここにいつでも戻ってこれるのだろうか、と、思いながら。
お終いのほうには金属をカラカラもてあそぶ音色がやってくる。この音色は選び抜かれたものであるのだろう、さて、どこかカウベルが揺れ鳴るようにも感じられる、突き詰めた快楽は伝統と隣接しているのではないだろうか、そして耳の記憶は、かつて友人と京都で水琴窟の音色を体験した午後へと連れ出される、金属の打音へ徐々に耳のフォーカスが合わされてゆく音像になると、地中深く降りてゆくような感覚にうっとりする。
再生装置は電気を使ってるけれど、電気の音がまったくない、どうでもいいことだが。
21分ほどの1トラックをこれで10回以上続けて聴いている。耳の快楽を突き詰めるとここに来るわ、
福島恵一さんのディスクレビューにあった! ■
おおお、 You Tube が。 You Tube > Stilllife ■
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