Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2012年07月19日(木) |
ジレミー・サイマーマンのクールな手つきについて |
前回の四谷音盤茶会で、ジェレミー・サイマーマンのトラック「Burned Across The Sky」に、 「即興もエレクトロアコースティックも現代音楽も混交した、わたしの好きなものがすべて入っている!」と騒いだので、 『Fire Sign』 Tzadik 2011 『Under A Blue Grey Sky』 Porter Records 2010 『Big Experience』 Solponticello 2007 の3枚を聴いていた。
『Fire Sign』が突出して成功している。
サイマーマンの才能は、聴かせどころの仕立てが巧い、点にあった。 ずいぶんたくさんのCDを聴いて育ったのだろう、既視感いっぱいの過去のカッコいいフォームがサンプリングされているような具合なのだった。 そのあっけらかんとした手つきは菅野よう子に似ている。
ポップ・チューンのように楽しまれる素材として、彼の音楽は成立している。
その際立った力量は、プロデューサー的なのだし、クールで、新しいのだろう。編集者みたいなもんでもあるな。
土曜日の月光茶房でサイマーマンのほかの作品も聴かせてもらったけれど、そのあたりは一貫していた。
菅野よう子プロデュースの『坂道のアポロン』が、わたしのオーディオルームでもジャズ喫茶でもうまく鳴らずに、ツタヤの店内で楽しく聴こえたように、サイマーマンのCDもファッションショーのBGMみたいに接するのが一等良く聴こえるのではないだろうか。
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