Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2012年05月21日(月) |
金環日食とクリス・ポッターとミッシャ・マイスキー |
金環日食。午前7時34分。 練馬ではうまいぐあいに薄い雲がかかって、日食レンズ無しで肉眼でキレイにリングを観ることができた。羽衣に生地に透かしがかかるように金環リングが彫られていたようだった。
10年以上住んでいるとボロアパートの住人や地主のババアや酒屋のおいちゃんや老若男女貧富病健美醜の10数名がわかる駐車場で、一様の市民づらこいて、土民みたいなもんか、大震災が来たときには助け合うわたしたちの予感も少しだけ。
クリス・ポッターがグループ「アンダーグラウンド」で初来日公演をコットンクラブでする。行きたいけど都合がつかないので、みんな行ってらっしゃい。土曜日の児山さんのNHKFM「ジャズ・トゥナイト」でクリス・ポッター&ザ・DR・ビッグ・バンドの新譜から1曲聴いたが、なるほどデイブ・ホランドのグループで研鑽しただけあるポッターの成り立ち。
インプロヴァイズト・ソリストとしてのポッターのポテンシャルはたいしたものなんだが、自己のグループ「アンダーグラウンド」は決め決めスター街道でありポッター自身なんかよりタイコの活きの良さや建築鍵クレイグ・テイボーンの不貞腐れたようなフェンダーローズのちょっとした浮上に耳をくすぐられるものであるのが正解なのだからして、これをジャズの最高峰だのと浮かれるのもどうかなと思っている。今回の来日「アンダーグラウンド」にテイボーンは居ないのだから、おれなんかに言わせれば、違うバンドだろ?としか思わない。
レコード芸術2012年6月号にて、NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ『松平頼暁』が特選盤を獲得とのこと。そのうち聴く。 室内オーケストラのための「コンフィギュレーション」(1961-63)〈初演〉 弦楽四重奏とリング・モジュレータのための/コンボのための「オルタネーションズ」(1967) /マリンバとオーケストラのための/テープのための「アッセンブリッジス」(1968)
夕方から溜池山王のサントリーホールへ、ミッシャ・マイスキーを聴きに出かけた。バブリーな日本であった頃にスターになったマイスキーを、おれは聴いたことがなかった。
「1720年製のモンタニャーナのチェロ」というのは、どんでもない銘器だった。それは楽器ではなかった。楽器の響きではないすごい音が聴こえた。不吉とも郷愁ともつかぬ汽車の汽笛を耳にしたし、見知らぬヨーロッパのどこかの森に囲まれた街の景色まで見えた。
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