Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2010年11月08日(月) |
エリック・ハーランド Eric Harland ヴォイジャー Voyager |
うおー。エリック・ハーランドのリーダー作がすばらしい。王道ジャズののりのりでピカピカでしかも高度な作品だ。ジャズ界はモチアンメソッド界隈とか王道ジャズ界隈とかいろいろあるが。
おれなんかチャールス・ロイドやカート・ローゼンウィンケルのタイコとして気付いたオクテ耳だけれど、あれだろ、現代ジャズ科ドラマー専攻の若者たちはエリック・ハーランドと外山明の人気が高いらしいな。
聴きはじめて、スピード感のある活きのいいジャズやなー、どのプレイヤーも手堅くいいじゃんか!、おごっ!な、なんじゃい、この複合津波のようなグルーブのタイコは!この曲はすさまじく良いな!と、ディスプレイを見るとこのCDのタイトルナンバー、「よしっ!」とパチンコのフィーバー確変がかかったような高揚につつまれる。
つなぎのドラム・ソロ・トラックも配置され、全体がひとつの組曲のように聴くこともできる。この大作志向は、同じくハーランドがタイコをつとめているバティスト・トロティニョンの『Suite...』との共通性を感じさせもする。あっちはいかにもピアニストが枠組みを構想したもの、で、しかも奇跡の名演、ひとつの完成形を示していたもの、そして、おそらく再度同じ方向性の表現はしないだろう突き詰め感があったもの。・・・
・・・ハーランドのこの叩き続ける大作志向は、タイコなだけあって、上に乗るものはいかにも無尽蔵でもあり、切迫した感じや突き詰め感はない。ギターの早弾き具合だって、かつてのメセニー・フリークなリスナーもごきげんだろう。
CDのおしまいはピアニストが提供した組曲が並ぶ。この充実も特筆もの。
78ふんを越える活きのいい現代ジャズが詰まっているのに、気持ちよくて40ふんぐらいにしか感じられなかった!
これは文句なしのおすすめだ。タガララジオ18はこのCDからにしよう。
タガララジオ17は入稿済みで、エネスク作品集、モチアン、橋爪亮督CDR、マイケル・フォーマネク、ビル・フリーゼル、ルイ・スクラヴィスの5枚というJazz Tokyo課長代理らしい堂々としたもの。
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