Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2010年08月11日(水) |
バスの運転手になりたかったのだ |
おれが子どもの頃友だちとつるんでいたのは、仮面ライダーカードをコンプリートしたくてギャングの親玉のようになって、金持ちのガキからはこずかいまきあげ、酒屋の倉庫に浸入しビールビンやファンタのビンを大量に運び出しとなり町の酒屋に売りに行って現金を得たり、函館ドックのほうに新カードが出たという報せを受けると手下に担任教師への休みの連絡をさせておのれが買いに2じかんかけてチャリで走ったり、そういう時期だけだな。ECMファンクラブも同じようなことしかしてなかったのにあぜんとするが。
バスの運転手になりたかったのだ。バスの運転手になった気持ちになるために、親のでかいチャリをバスに見立ててころがした。自分ちのまわり半径3キロメートルぐらいの町内のあらゆる路地に、うそんこの停留所を想定した。停留所のネーミングをノートに書き、ルートを設定し、運賃を設定し、そのルートをチャリで走破するのに夢中になった。まいにちまいにち、ひとりでチャリに乗ってすごす放課後だった。誰とも遊びたくなかった。うそんこの停留所にチャリでちゃんと一時停止するのだ。頭の中ではお客さんの運賃を確認し降ろしているのであるが、はたから見ていると大人のチャリに乗ったガキが猛スピードで飛んできてアパートのゴミ収集所に急ブレーキで止まってじっとうつむいているだけなのだった。おれは息が詰まるくらいに幸福な気持ちであった。はあ、はあ、はあ、と、息をしながら、瞳はうるうるしていたと思う。
なんでバスの運転手にならなかったのだろう。
おいらがあこがれた数学者
「インドの天才魔術師、神のお告げで理論を量産」 シュリニヴァーサ・ラマヌジャン ■
「覚醒剤で数学を放浪するアウトロー」 ポール・エルデシュ ■
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