Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2010年03月20日(土) |
小菅優の現在 Vol.1 デュオ&トリオ@彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール |
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小菅優の現在 Vol.1 デュオ&トリオ 2010年3月20日(土) 彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール 小菅優(ピアノ)、ラデク・バボラーク(ホルン)、豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)
R. シュトラウス:前奏曲、主題と変奏 TrV 70 R. シュトラウス:アンダンテ ハ長調 TrV 155 F. シュトラウス:主題と変奏 作品13 シューマン:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番 イ短調 作品105 シューマン:アダージョとアレグロ 作品70 ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40
ほとんど満席のホールに響きわたるホルンとピアノ。小柄でチャーミングなお嬢さんがピアノ、このコンサートの選曲から作りあげるというコンセプト。ピアニストが自己主張しているのではなく、シュトラウスが静かに流れてくる。それにしても・・・ピアノの音がこもって聴こえる。遠くから聴こえるよう。スコアをめくる紙がこすれる音のほうが近くに聴こえる。焦点が合わない映像を見ている気がする。
それにしても、バボラークのホルンがいい。ブラームスの「ホルン三重奏曲」の前ですでにピーピコ賞が確定する出来で、アンコールでの茶目っ気たっぷり、ウタゴコロ満載のパフォーマンスに圧倒された。
ヴァイオリンの豊嶋泰嗣の自然で寄り添うようなサポートぶりも光った。ピアノの小菅優も、楽曲から突出するようなところも見せずに、おとなしく楽曲に適切なアクセントを付け、プログラムを通して室内楽を堪能させる意図を充分に示していた。ピアニストを聴くというより、このトリオを聴くコンサートだったなあ、と、それはそれでじつに充実した・・・、などと思ってアンコールを楽しんでいたら、アンコールの3回目は彼女がひとりで出てきて度肝を抜くようなショパン24の前奏曲の18を弾いた。ピアノの音の輪郭がはっきりと、迫ってくるような速度と強度のあるショパンだった。ピアニストはプログラムを問い、最後に牙を見せたものか、と、とっさに思ったが、そういうものでもなく、シュトラウスでもピアニストを把握できていなかった自分の甘さだったかもしれない、と、冷や汗をかくような気持ちにさせられた。
ところでこのホール、ピアニストは児玉桃とゲルバーを聴いたけど、児玉は他のホールで聴いたときのほうがはっきり聴こえていた。おいらの耳の咀嚼力のモンダイか。
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