Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEX|past|will
2009年01月07日(水) |
『SUPERMARKET FANTASY』とミスチル論(メモ) |
山崎洋一郎(@ロッキングオンジャパン)がNHK−FM「ミュージックスクエア」に出演し、 今年期待されるバンドをコメントしている。 ラドウィンプス、活動休止エルレガーデンの細美武士、ミスチル、9mm Parabellum Bulletまで聴いて仕事に出かける。 ラドウィンプスは、一瞬の光芒のような黄金活動期だったのではないかとおれは読んでいる。二度と好走できないダービー馬ではないのか。
山崎はミスチル桜井に15thアルバム『SUPERMARKET FANTASY』について、「最高傑作ですね!」と素直に声をかけられる出来だと語り、桜井もそれに「そうですね」と応じたというエピソードを話した。
えっ。どうなんだろ。 『SUPERMARKET FANTASY』のどの曲も、それ以前に発表していた楽曲のリサイクルであるように聴こえてしまっているんだけど。 ファンも成長すれば離れてゆくもので、サイクルしているのを読み切っている制作側の計算が見えるところがつらい。
2007年10月31日発売の「旅立ちの唄」が、ミスチルの創造(前進)の終焉を示す、それも追伸文といった存在感であること、を、感じていた。「君の大好きだった歌、街に流れる」の、大好きだった歌はミスチルの楽曲であって、彼らは自分たちに対しての訣別を置いてみせた、と、おれは解釈した。 ファンには分かってもらえる感覚だと思う。
たとえば「箒星」というシングル楽曲について。 これは、フリッパーズ・ギターへのオマージュである。「カメラ!カメラ!カメラ!」である(PVのダンサーの振り付けのモードの一致を見たまえ)。と同時に「星の彼方へ (Blue Shinin' Quick Star)」である。桜井はミスチルを創造する始点にフリッパーズ・ギターへの羨望と渚ゆう子に涙する引き金(トリガー)があったもので、この「箒星」に至って初めてその始点の結び目が解消され昇華されたのである。
フリッパーズ・ギターがフィクションの60年代を幻視したことに対して、この「箒星」という楽曲には、「光る光る東芝のマーク」という60年代CM曲が埋め込まれていることにもなっている。これは、聴こえる。
桜井はバンクバンドでフリッパーズ・ギターや小沢健二を取り上げることはできない。
これはファンには分かってもらえるとまでは言えないか。これは世界初出のおれの直感だ。
だからなんなんだと言われれば。なんなんでしょと応える。
|