Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2007年10月26日(金) |
寺嶋陸也というものすごいピアニストを発見 |
11月11日の三善晃『変化嘆詠』■を聴きにでかけた。
三善晃『変化嘆詠』は合唱団と4つの楽器(琴、尺八、鼓、打楽器)という編成の曲。 ぼくが三善晃作品に奇跡的な音楽の生命体(といったもの)を聴いたのはこれまで合唱の響きとオーケストラの響きのふたつにあったもので、今年の3月に名古屋まで徹夜明けで高速をとばして出かけた『詩篇頌詠(しへんしょうえい) 女声合唱とオーケストラのための』(1980)■、「この響きが、世界から途切れることがありませんように。」その想いばかり。 ・・・で。残念ながら今回は、音楽のひかり、ゆらめく生命体のような響き、は、現出しなかった。合唱団はとてもよく、デテイルまではっきりと聴こえたし、どのようにこの音楽に合唱団が舞っているのか、楽しんでいるのか、伝わってきたとても気持ちいいもの。それでも、現出しなかった、というのは、この作品(スコア)の問題なのか。4つの楽器については足し算されていた程度にしか感じられず。 出だしの合唱のすすみかたは、コトバから旋律に場をふわっと変貌させてしまうありようで、吉増剛造のライブで聴衆への語りかけが詩の時空に変貌させてすすませるところを連想させた。作品全体の中では小さなポイントだけど、ぼくには大きく感じられた。
ハイライトの三善晃作品の前には、ブラームス、バッハ、グリーグを聴いたわけだけど、どれもこれまで聴いてこなかったので、新鮮。 グリーグの「ソルヴェイグの歌」は覚和歌子(かく・わかこ)さんの詩で合唱されたもので、ミスチル桜井の声に変換させて聴いててなかなかにハマる。 ほんで。 今日は、グリーグで弾いたものすごいピアニストを発見してしまった! 寺嶋陸也(てらしまりくや)■という作曲家でもあるひとだという。このピアニストのタッチの的確さと制御するちから、音楽を定位させるといったものに文字どおり戦慄をおぼえた。このピアニストをみんなに教えなきゃ!とドキドキして一音一音に耳をそばだてたです。このピアニストのコンサートは要チェック。
それから、この日の指揮者である栗山文昭さんのもつすばらしいオーラ。まわりの光景をゆらすようなものは細川護煕にみたいらいです。
なんか自分は現代音楽で和楽器をくわえたものに対する感受性が欠けているというか、そういえばノヴェンバー・ステップスもオケのトーンばかりに耳がいっていたし、だったら和楽器単独での現代作品のほうがよくわかる経験ばかりで、楽器の宿命というかパラダイムはなかなか越えて聴くことのできない耳なのだな、ようは足し算に弱い・・・。小室哲哉「ボーイ・ミーツ・ガール」のトライバル・ミックスで登用された和太鼓サウンドはゆいいつ感動したかな。この文削除?
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