Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2007年08月26日(日) |
サニー・マレイの『サニーズ・タイム・ナウ』(DIW) |
サニー・マレイの『サニーズ・タイム・ナウ』(DIW)を聴く。 むかしディスクユニオンから3500円で出ていた盤なので、後に4曲目のトラックが追加されたものではない。
アルバート・アイラー、ドン・チェリーをフロントに、ヘンリー・グライムス、ルイス・ウォーレルの2ベース、そして、サニー・マレイ。65年録音。 アイラーとサニー・マレイというと前年『スピリチュアル・ユニティ』である。 黒人のパルスと護摩焚きを合体させたかのような、サニー・マレイのタイコ世界。黒人ジャズは密教の護摩焚きとも通底する世界性を獲得していること、と、書いてもあまり意味がないかな、音が発生する始原としての共通性を感じる、というくらいにしておこう。
1・2曲目「Virtue(10:56)」「Justice(12:42)」、ちょっと大きめのスピーカーで鳴らすと、沸騰するような2ベースが地響きをたてているもので、ほんとうにすごい迫力がある。 3曲目「Black Art」はリロイ・ジェンキンス(Tシャツのブランド名ではないぞ)の、朗読というよりアジテート、が、主役になっているナンバー。
このCDは杉山和紀さんが制作している。 この杉山和紀さんの名前はジョン・ゾーンのレーベルにもあちこちで見かけた記憶があるけど、前衛音楽ファンにとっては超重要人物。杉山さんに取材をしたり手記を著作にしたりインタビューすることはこれからの音楽にとって必要なことだと思います。 ネットでググっても、「80年代のJazzLife誌の杉山和紀のニューヨークレポート」がある、とか、「早大理工学部出身で「日本にいた頃は『ホットクラブ』という年齢層の高いレコード鑑賞サークルに参加して」いたが、ボストン大アメリカ黒人文化研究科に留学」、とか、断片的な情報しかありません。
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