Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2007年04月07日(土) |
en-taxi誌2007年春・17号掲載の「ECM産業論 藤原敬之」 |
すべての音楽雑誌を買わなく・・・、買えなくなったわたしですが、en-taxi誌だけは創刊から揃えている。
そこにアドルノ再考という特集があり、そのくくりで「ECM産業論」というタイトル。 アドルノ再考の特集には外務省ラスプーチン佐藤優が書いていることにもたじろぐけれども。
「ECM産業論」のECMとは、はたして、ECMレーベルのことだった。
「ドイツ人マンフレート・アイヒャーは勝利したのだろうか。」と、論考は結ばれる。
大西洋を渡れなかったアイヒャーは、ヨーロッパの民族音楽であるクラシックに挑んでいるのだと思う。
たしかに凡庸なポール・ブレイの「Open To Love」の続きは、ブレイが自らのレーベルで弾いた「Alone,Again」が審美の対立を示唆しており、 ブレイは、突如にアルフレッド・ハルト「This Earth!」に異様なECM登場を果たし、しかし、「This Earth!」は封印される。 この作品はECMのへそのような存在だ。
「私はECMをジャズ・レーベルだと思ったことは一度もない。おそらくECM愛聴者は皆そうなのではないだろうか。」と筆者は記す。 まったくですぅ。 わたしは若い日々に、ジャズファンからは「ECMはジャズじゃない」、インプロファンからは「ECMは即興じゃない」と、べつに何かである必要はないことはわかっていたけども、そう断言する審美の軸を得たくて彷徨ううちに、ミイラとりがミイラになったような。
いずれにしても、必読の記事です。
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