Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年12月07日(火) |
岡本真夜似のなつみちゃん |
岡本真夜似のなつみちゃん24さい彼氏なし募集中時給840円いわく、「たださんも、アジカン好きなんだあー。わー、バンプも好きなのー?わたしたち趣味あうわねー。そうねー、「チキンライス」は貧乏くさくてびみょーねー。あ、いまわたしレンジの「花」が大好きなんですよ。」
とっさに「うん、いい曲だねー。一緒にアジカン行った息子も大好きでさー。」「いいですねー、親子で一緒にライブに行くなんてー。」
「わたしたち趣味あうわねー」という文言(もんごん)だけが晴れ渡った師走の大空に映し出されているではないか! わたしたち、というのは、いくらソシュールが抗弁しても、なつみちゃん自身が語った“なつみちゃんとわたし”のことだ。 なつみちゃんの「一緒に」「いく」の音声をサンプリングして耳の中でループ&ループしてしまうぞ。
なつみちゃんと・・・、ケンカして、愛し合って、いろんな壁ふたりで乗り越えたいぞ!どんな壁があるというんだ。年齢差19。モンダイ無し。まったく無し。今日は、いい一日だぞ。がんばれ、オレンジレンジ。なつみちゃんが好きなら、わしも好きじゃ。なんやおまいら、文句あるのか?そもそもきみたちにとって音楽とは何なのかね。趣味があうわたしたちの前では、なんときみたちの無力なことか。
こんどなつみちゃんにミスチルが好きかどうかきいてみよう。おざけんを知っているかきいてみよう。おお、近づくクリスマスにおざけん『LIFE』を渡しちゃったりして。「おそろいのダッフルコート着ようよ・・・」なんて言われたりして。「大人のキス、知ってる?」なんて言われたりして。
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そえいば、ミスチルのシフクノオト・ツアーの横浜アリーナの録音が手に入っていたんだった。
6・12 「Mr.Children Tour 2004“シフクノオト”」@横浜アリーナ 1. 終わりなき旅 2. 光の射す方へ 3. PADDLE 4. Innocent world (MC) 5. 花言葉 6. 口笛 7. 抱きしめたい 8. Pink〜奇妙な夢 9. 血の管 10. 掌 11. ニシエヒガシエ 12. Image 13. overture〜蘇生 14. youthful days 15. くるみ 16. 天頂バス 17. Hero encore 18. mirror 19. タガタメ 20. sign
コンサートのオープニングに鳴り響いたのは、「終わりなき旅」のイントロだった。それは、力強く鳴り響いた。 「えっ、どうして?」 この曲は彼らの長期休養明けの、“自分探しの途上”を象徴するシングルだった。苦悩の旅路をメタファーとするアルバム『DISCOVERY』。彼らは、その後『Q』『It’s A Wonderful World』そして『シフクノオト』へと、トンネルを抜けるようにして辿り着いたはずだった。 しかし。「終わりなき旅」の、この圧倒的な、力強い躍動と光に満ちた肯定感。 「息を切らしてさ」 ・・・祝福を帯びるように、この楽曲は横浜アリーナ全体を高揚させていた。そして理解した。何を?・・・いま、を?
ざっくりと言って「口笛」「蘇生」「Hero」「くるみ」「タガタメ」へと到達した彼らにとっては「終わりなき旅」も「光の射す方へ」も過去の軌跡として位置付けてしまっていたぼくは、このライブのオープニングで続いて演奏されたことによって、過去の歴史が現在に二重映しのように生きていることを感じたのだ。
『沿志奏逢』のシークレットトラック2種を含めて焼いたCDRを要望する中2の息子からの電話があった。 「終わりなき旅」も「光の射す方へ」も、テーマは同型であると彼は指摘した。あ・・・たしかに、言えてる。 前者が基本的な態度として一途な倫理性を持っているのに対し、後者は快楽至上主義者の態度であり享楽的である、に、過ぎない。
ミスチルの欠落は、「だらだらサボってテキトーに流そうぜー」「もうけもうけー、だまされるヤツがバカなのよ」とは決して歌わないキマジメさなのだし、そこがウザいと言えばウザく、教条主義的なバンドの筆頭に挙げられるゆえんでもあるのだろう。
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