午前6時に、東から西へまっすぐと伸びた国道を、薄紫から深緑のグラデュエーションにかがやく空に浮かぶまあるい月に向かって、高校2年生のむすめを修学旅行で集合する駅まで送ってゆく途中の、30分ほどのときどき笑ったりする会話。「月、見える?」「見えるよ」スピッツの「月に帰る」に話題を振ろうと一瞬思ったけど、そんなあまりにもうつくしい会話をしてはいけないのだ。たまにはこんな時間があってもいい。話した内容をすでに忘れているけど。