理想と現実 - 2007年03月24日(土) 地元の銀行の教育ローンかなんかのCMに、こういうのがある。 夕暮れ、住宅街を歩いて帰宅中の中年のサラリーマン。 そこに中学生か高校生の、ブレザーの制服を着たかわいくて清楚な娘が走って駆け寄り 「お父さん、いっしょに帰ろ」 と声をかける。 お父さんも 「おっ」 とか言って、ふたりは並んで歩き始める。 自分にやがて背丈が並ぼうかという娘を見やり、お父さんは、大きくなったなぁ、というような感慨にしみじみとふける。 それから教育ローンの紹介アナウンスが入るのだけど、その背後では娘が 「えへへ」 と笑いながらお父さんと腕を組んだりしている。 「おいおい」 と苦笑しながらもまんざらでもないお父さん。 エロい。 その年頃のお父さんの夢や憧れをそこはかとなく描き出したCMなのかもしれないが、こんなエロい理想があるであろうか。 娘と父親、というところがなんともエロい。 いやまぁ、額面どおりの意味での「エロい」ではないのだけどね。 なんつーか、あざとい、というか、それでいて露骨というか、そういう意味でエロい。 しかし実際に家計を管理しているのはだいたいにおいてお母さんのほうであろう。 父親が娘とのささやかな交流をこのように望んでいるのなら、母親もまた、息子とのこのような、ささやかだが心温まる交流を望んでいるのではないか。 そこでつくってみた。逆バージョン。 夕暮れの住宅街。パートの帰りに寄ったスーパーの袋を提げて家路を急ぐ中年のお母さん。 そこに中学生か高校生の、ブレザーの制服を着た童顔のさわやかな息子が走って駆け寄り 「母さん、一緒に帰ろう」 と声をかける。 お母さんも 「あら」 とか言って、ふたりは並んで歩き始める。 自分の背丈をやがて追い越すであろう息子をみやり、お母さんは、大きくなったなぁ、というような感慨にしみじみとふける。 それから教育ローンの紹介アナウンスが入るのだけど、その背後では息子が 「貸せよ」 と、ちょっと照れくさそうに母親の手からスーパーの袋を取る。 「重いわよ」 と苦笑しながらもまんざらでもないお母さん。 「…あんまり無理すんなよ」 ぽつんと、息子は誰にともなくつぶやく。 一瞬はっとしてから、息子の健やかな成長ぶりと不器用な思いやりに気づき、お母さんは目を細める。 エロい。 こんなん、普通に彼氏にしてほしいことやんな。 -
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