日記...マママ

 

 

「ぐれる!」 - 2003年10月15日(水)

HP作成作業を進めたり進めなかったりしているのだが、読書感想のコンテンツを別に作ろうとして、やっぱりこっちと兼用でイイや、と思ったので、これからこの日記には時々読書感想を書くことにします。

『戦う哲学者』中島義道という人を最近知ったのだが、この人の本には出会うべくして出会ったのかなあと思う。今の自分に直球で響くところが大いにある。大学時代に読んでも、すべてが順調だったおととしぐらいに読んでも、もっと年を取って落ち着いてから読んでも、たぶん今ほどは響かないだろう。
「カントの人間学」を何気なく本屋で手に取ってみたのが出会いだった。
思いがけずはまってしまい、会社に持って行って休憩中に読んでいたら「少しは人目を気にしたほうが…休憩時間に読書はまずいよ」と社員さんに注意されてしまった。そうなんですか。やめたほうがいいなら、もうしません。ありがとうございます。休憩時間に休憩室で読むのもまずいんですかね。15分以上にならないようにちゃんと計算してるつもりだけど…。つったら「僕は別にいいと思うんですけど、ここはいろんな人がいるから。」なんだそうです。それを伝言してくれた人も課長も他の人も皆同じことを言ってた。じゃぁ私が本を読んでいるのが気に食わないって陰でコソコソ言ってるのは一体誰なんだよ!?なんて書いていると「善意で忠告してくれただけなのに、そこまで反応しなくても」と思われそうだし自分だって人が同じことを話していたらそう感じてしまうかもしれないが、でもなぜ皆異口同音に「僕は別にいいと思うんですけど」と前置きしつつ語るんだ。微妙に気色悪い。一体なんなんだ。あなた方は誰かが「気に食わない」と言ってるのを聞いたことがあるのか。あるとしたらそれは誰なんだ。別に喧嘩したりしないからそれを教えてくれんとやりづらくてしょうがないと言うのに。



勢いで嫌なことを思い出してしまった。我ながら大人気ないと思います。
当然今は職場に本は持って行きません。
で、今日読み終わったのが「ぐれる!」なんですけど、これを読んで「あぁ、私もぐれたいんだな」と分かった。中年向けの本みたいなのでちょっとお呼びでない感じはしたけど青年向けの部分もあってよかった。
嘘臭い夢も希望もかなぐり捨てて、ひたすら青臭く、まっすぐに「ぐれる」ことの美学が語られています。
でも読み終わったら「やっぱりバカでもまっとうに生きよう」と思いました。この本に書かれているように真剣にぐれるのは大変だ。第一めんどくさい。今の私にそんなエネルギーはない。
ぐれる素質は満点だけど私は、いろいろなことに気づかないふりをして、うさぎの毛のてっぺんに這い上がることはせずに、下のほうの皮膚のすぐ近くでぬくぬくと暮らす人生をたぶん選ぶよ。私は。
でもそれはそれでめんどくさいんだよな。
作り笑顔もとっさに出せない私は、やっぱりぐれるべきなのかもしれない。
そのほうが楽に生きられるのかな。




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