感情をあまり表に出さず、人よりゆるやか。自己主張をまったくせず、ずっとクヨクヨしている。かなりの優柔不断なのだが。そんな、のゆり。しかし、夫である卓哉は、そんなのゆりに愛想をついたのか、会社の女性とずっと不倫をしていた。
そんな関係を、のゆりの視点から、淡々と、でも繊細な描写で綴られている。まぁ、とにかくのゆりはクヨクヨしつつどうしようかどうしようかと、考えるばかり。でも、誰かを傷つけたくないという、優しさからきているものなのだろう。卓哉に対しても、怒ったりも、何もいえないのは、それも愛情からなのだろう。そういう主人公が、一番強いような気も、最後を読んでいてした。
男性からすると、のゆりみたいな女性は、「守ってやりたい」と想うだろうし、たとえ夫が不倫していても、「別れたくない」と想い続けるz女性は、いろいろ見方があるだろうな。
「わたし卓ちゃんとわかれたくないんだ。別れようとはっきり言われて、はじめてわかった。わたし、反応が遅すぎる」
そんなのゆりの言葉、ふっと印象に残った。そういう女性って、けっこういると思うし
不倫相手と、高級料理店で会ったときの、2人の対比が印象的だった。無言電話の件は、意外だったが。個人的に想ったのは、旅行の件(くだり)は、いらないように想った。
結婚ってなんでしょう?いいものなのだろうか? この夫婦のストーリーを読んでいると、考えてしまいます。夫婦の形って、いろいろあるけれど、結婚したのだから・・・分かり合えるまで、時間をかけて、言葉を交わして。そうすれば、なにか光明が見えてくることも、あるのかな・・・
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