Land of Riches
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刀ミュ新作「坂本龍馬晩涼飛騰刀」の初日配信を見ました。グランドミュージカル俳優・上山さんを 坂本龍馬に迎え、大型ライブ公演で本丸の古参らしさを匂わせながら本公演に5年以上出演なく じらされていた陸奥守吉行を部隊長として出陣し、彼のガンギマリっぷりを描いた作品でした。
刀ミュは刀剣男士の「神」としての側面を強調して描いており、相対的に人の命は軽いものとして描写されます。 私はここが前の脚本家・伊藤さんの頃から苦手です。歴史を守るためとはいえ、簡単に男士が人間を殺すのです。
島原の乱を史実通りに済ませるため3万人以上を殺す役をやり切った鶴丸国永と、歴史通りの行動を果たせば 命までは奪う必要はないと源義経を逃がした三日月宗近。三日月が死ぬ運命から逃した「物部」は増え、 その一人が時間遡行軍に毒殺された坂本龍馬の代役を務めます。時間遡行軍は彼に未来を伝え揺さぶりますが、 一方の刀剣男士も故意あるいは口を滑らせて戊辰戦争を教えてしまいます。これも謎の行動です。 ただ、序盤に陸奥守が何回も坂本を斬っているらしき描写があり、何らかの事情で陸奥守は龍馬に関する 任務は全て自分に寄越せと審神者に頼むくらい、歴史守護に苦闘し周回を繰り返しているのが分かります。
最後には坂本龍馬としての運命を受け入れ暗殺された物部と、彼を見て枯れたはずの涙を流す陸奥守。 刀剣男士の成り代わりは刀ミュ・刀ステともに出てきますが、どちらも結局は「放棄された世界」に至ります。 だからこそ三日月は同時代を生きている人間である物部を代役に立てる策を編み出したのでしょうか。
刀ミュ本丸にはあからさまに三日月に反発する明石や複雑な心境で見守る小烏丸など、三日月を巡る 感情的な対立(今回出陣する中で新参の後家や大慶は三日月をほぼ本丸で見たことがない)があります。 刀ステが悲伝以降は山姥切国広を中心に割とまとまっている印象があるので、余計に見ていて苦しくなります。
三日月には何らかの機能があるとされていますが、それは他者の願いを反射する鏡ではないかという 考察が浮上しています。さながら光を反射する月のように。武士の全滅を祈った物部を、幕府終焉の トリガーとなった坂本龍馬にしてしまったのなら、三日月に死ぬべきはずのものを救わせてしまうのは 初期刀を折ってしまった審神者の後悔ではないか説が、現時点の私には一番頷ける意見です。 過去の人々に歴史通りの死を強いておきながら、初期の挫折を受け入れきれていない本丸…。
重厚で見応えのある作品なのは分かりましたが、Not for meなのに傷ついた私を癒やしてくれたのは 樽助さんがXで最終話の感謝を述べていたアニメ「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」、 通称『沖ツラ』でした。東京から転校した男子高校生があまりに古風なウチナーグチを操る 「ひーなー」に一目惚れするも何を話しているか分からず、彼女の親友で主人公にこれまた惚れた 「かーなー」が通訳を通して接近を図る三角関係ラブコメ。沖縄あるあるが頻繁に盛り込まれていて、 原作から沖縄では大人気。ひーなーが言葉遣い古風なら、かーなーは金髪色黒ギャルながら これまた古典的な可愛いヒロインでファンの間で人気爆発。今季最強の呼び声も納得の、楽しい作品でした。
2025.2.29 wrote
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