Land of Riches


IndexBeforeAfter

 2023年10月27日(金)   Another HERO [前編] 

会社から取得するように言われている5営業日連続休暇は福岡で暮らす―そんな夢は
宴奏会&刀ミュすえひろがりの波状攻撃で霧散したのですが、とある発言で
3日間とはいえ『福岡で過ごす夏休み』を設定できました。10月末に。

出勤よりも早く家を出たのは、単なるフライト料金との兼ね合い。
遠征や旅行ではなく『住む』のなら予定に追われるのはおかしい。そう考えて、
3日間1つずつしか予定を入れず、いきあたりばったりで日々を送りました。

ホテルに荷物を置いてまず足を運んだのは博多一双の本店。SNSで写真を見た
献上柄の器(食材は福岡市内の企業から仕入れているが器だけは佐賀県の有田焼)が
印象に残っていたからです。豚骨カプチーノを謳うスープは、誰もが豚骨ラーメンと聞けば
連想するヘビーさはなく、すらすらと食べられて替え玉率自称8割とのこと。

きちんと調べないので(店にもスマホのgoogle mapに聞きながら向かった)
人気店とも知らず、近所の店舗前すら塞ぐ列に50分並びました。お昼時だったので。
一蘭が作る工程を全く見せないスタイルゆえ、次々と器に注がれていく有様を
カウンター席から眺めるのがなんだか新鮮でした。お味は想像以上にあっさり。
最初は普通、替え玉は硬めにしましたが、普通だとあっさりしすぎかも。
隣のお兄さんが備え付けのニンニクをその場で潰していたので、パンチが足りないと
感じる場合はセルフで足すんだ…と思いながらも、何も加えずに食べきりました。

博多駅から光雲神社へのアクセスは都市高速を通る西鉄バスを使うのですが、
平日昼間で本数がなく、45分以上待ちそうだったため、久々に地下鉄で行きました。
市営地下鉄、3回以上乗るならVisaタッチ決済の方が安く済んだんです実は。
そんなに乗るとは思わなかったので、空港からの移動Suicaで乗っちゃいました…。

西公園のそばには行列のできるイタリアンや見知らぬスイーツ屋が。
博多は大陸の玄関口だった歴史的経緯から、新陳代謝がとても激しい都市なのです。

光雲神社にいたのは審神者らしき女性ばかり。だからイケメンな黒田親子が
長谷部を持つイラストのカード型御守や、3000円する長谷部の切り絵御朱印が出るのです。

福岡市博物館の近代黒田家の名品をテーマにした特別展示でも、一番人だかりが
できていたのは長谷部でした。刀ミュ長谷部のブロマイドやアクリルスタンド、
いまだ種類が増えているぬいぐるみ等いろんな長谷部とツーショットを撮られていました。
(これは成田山の護摩火に御札や財布、バッグを当てるのと同じ感覚だと腑に落ちました)
長谷部の隣が日光一文字なのもあり、御伴撮影独特のシャッター音もずっと鳴ってました。
少し離れた場所には表裏見られるケースで大仙兼元が。黒田長政が用いた孫六兼元です。

黒田長政没後400年を冠されながら、メインは藩主ではなく侯爵家となった
12代藩主長知(藤堂家からの養子)以降。贋札事件で槍玉に挙げられ、
全国のどの元藩主より早く藩知事を辞めさせられ東京に移住した当主でしたが、
幕末の歴代が西洋の薫陶を強く受けてきたのもあって欧米に留学、文化人となります。
その息子・長成も英国へ留学し、帰国後は30年近く貴族院の副議長を務めました。
さらにその息子・長礼は鳥類学者として名を馳せます。彼の遺言によって
長谷部たち黒田家の重宝は家を離れ、ゆかりの地である福岡市に寄贈されました。

鳥が好きで、黒田家に長く伝わった屏風のほぼ全てが売却されても、唯一、
たくさんの鳥が空を舞う図案の1点のみ残していた長礼。研究するのみならず
一般向けの講演なども行った(ラジオ原稿も出展)彼が世界中で集めた剥製は
空襲で長谷部たちの蔵を集中的に守る方針が取られた結果、全焼しました。
何故そうなったのか、旧大名家の積み重ねてきた時間の重みを感じさせる展示でした。
(明治以降、長成が明治帝・大正帝から信任厚かったため下賜品が宝として増えてもいたり)

ミュージアムショップで念願の長谷部ジェットストリームとタオルハンカチを購入。
(通販なら随分前から買えたのですが、絶対に現地で買うと決めていました)
早速、職場で使っているのですが、それまでの男士モチーフボールペンと違い、
本体モチーフの物は同じ長谷部イメージでも背筋がピンとなります。不思議。

中州へ戻り、金曜夜にダメ元で三原豆腐店…の2階へ。宮原さんのグランパス時代の
チームメイト・三原廣樹さんが社長を務める佐賀の有名豆腐店の飲食部門です。
当然のごとく予約がたくさん入っていましたが、早々と退散すればOK、とのことで
カウンターに座らせてもらいました。名物の「まぼろしの厚揚げ」や「濃厚豆腐」は
名前から想像するのと少し違うビジュアルで、でももちろん美味しかったです。
(ここのカフェ部門TOFFEEは東京の大手町にもあるんですが、豆乳めちゃくちゃ濃いです)

合わせるのはカラクチサムライや田中六五といった福岡の日本酒。最高でした。
(あおさを和えたポテトサラダも予想外の変化球で素晴らしかったです)
デザートの豆腐生チョコもサイズの割になかなかのお値段でしたが、それも納得でした。
それでも食べ足りない…と歩いて戻った博多駅で三日月のクロワッサンを
2個買いました。食べ過ぎです。長谷部と出会う前から縁の深い福岡・博多は
歩くだけでテンション上がるといってタガ外れすぎ(笑) 満たされた日でした。

2023.11.5 writing finished


やぶ |MailWeblog