Land of Riches
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2023年04月21日(金) |
Get so crazy |
ゲネプロ★7の公開日に4回組まれた舞台挨拶のうち、退社後に行ける最終回が当選したので、 先週、黎明の4DXを見て以来のユナイテッドシネマ豊洲に行ってきました。
バルト9からの移動を経ての最終回、かつ上映前でネタばれNGとあって ふわふわかつお疲れ気味の挨拶でしたけど、このメンバーで別作品を撮るなら 70年代を取り上げたいと堤監督が和田さん単独なら学生運動のリーダーと言っていて、 どうしても舞台ダブルの『初級』を思い出してしまう本人と私たちでした。 (他は高野さん=体操のあん馬、染谷さん=屋根をかける時代劇、荒牧さん=詐欺師、 佐藤さん=細野晴臣、黒羽さん=ロードムービーだったと記憶) 後はキングダムの舞台で山の民のパンツが…などアクシデントをカバーする話題などでした。
Abemaのオーディション番組オレイスこと「主役の椅子は俺の椅子」の優勝特典であるこの映画。 脇は刀ミュ・刀ステを黎明期から支える刀剣男士キャストがずらり。 主演の三浦さんはとうらぶを演じる前の和田さんが唯一の共演経験者で、 入るのは緊張したようですが、作中でも劇団セブンに新規加入する立場ながら (作中でもオーデション場面がある)勝ち抜いただけの演技力を見せてくれました。
殺陣に関しては「和田さんが僕も上手く見えるようにやってくれた」だそうですが、 和田さんも普段は時間遡行軍役の皆様に引き立ててもらっている立場ですからね。
作中世界では絶大な人気を誇る劇団セブンのメンバーがリーダー蘇我の急死と 蘇我の元彼女である歌姫ヒナコの翻弄、そして飛び交う怪情報により対立し、 ゲネプロでは役のままでいながら相手への殺意剥き出しなガチ殺陣を行う…しかも 何者かによって武器は真剣に差し替えられていて、劇場は血に染まり、 最後は新人の山井以外の全メンバーが殺されてしまう…というストーリーでした。
しかし、エンディングは血糊べったりのキャストがカテコをする風景で、 劇団の専用劇場シアターセブンの2Fでは蘇我が拍手をしているという謎映像です。 この作品はミステリー仕立てで、解釈は観客に委ねられています。
どこからどこまでが素で、どこが演技なのか。twitterで見かけた解釈で 一番腑に落ちたのが最初から最後まで全て蘇我の脚本通りのドラマ、 カメラは蘇我の目線(光の線が走るのは蜘蛛のシルバーアクセの反射)というものでした。
確かに真剣で斬り合うシーンでは劇場の設備を吹き出す血糊から守るため やたらビニールがかけられていますし、序盤からメンバーの対立やわがままに慌てる スタッフも殺し合いを全く止めません。また、和田さんが演じる陣内は 最後、妖精パックと一騎打ちになって袈裟斬りされるのですが、 ガチの袈裟斬りなら胸にだけ切り傷があんなに入らない(服の破損が不自然)です。
でも、劇団が演じる「舞台」作品なら、バックヤードや前日譚映像は挟まず、 板の上だけで説明してくれ!―と思ったのも事実。いや、最近の舞台では 割と挟み込まれますけどね、映像(苦笑) あと大人気劇団の専用劇場たる シアターセブンがエンディングで立ち見席になっていたのが納得いかない!(苦笑) これは使われたのが劇場ではなく品川のクラブexだったのがメタな原因なのですが。
事実か虚構かはさておき、人気2.5次元俳優が揃いも揃って悪態をつきまくり (本人が抱かれがちなイメージをさらにデフォルメしたような性格の役を演じている) 最後には内ゲバで血みどろになって(少なくとも演技として)死んでいく、 PG12指定されているのは鑑賞後に知ったのですが、黎明よりも映画としての完成度は 高く感じましたけど、何度も繰り返して見たいかと言われたらNOという作品でした。 やはり推しが真っ赤に染まって息絶えるのを大画面で見るの、単純に消耗するんですよ。 (とうらぶの時間遡行軍は斬られると消滅するので男士は実写でも基本的に綺麗なまま)
けれど、2.5次元俳優が悪役を演じさせてもらえないのは前々からの不満だったので、 どす黒い感情を剝き出しにしてぶつかり合うシーンは迫力がありましたし、 見ると疲れるだけで嫌悪感はありません。とにかく彼らは殺陣が上手いんですよ。 その場でつけられた殺陣に対応できるのは映像役者にはあまりないスキルで、 堤監督も適応力の高さには唸っていたようです。いや、監督ご自身も 舞台挨拶でボケまくるというツッコミの和田さんもビックリのテクを持っていたのですが。
1枚だけ買ったムビチケは2週目の特典になってから、平日以外の心身に エネルギーが割とある日を選んで使おうかと思います。そんなに上映館多くないですし。
2023.4.22 wrote
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