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 2018年11月21日(水)   「ばいばい菌だ」 

チケットがなかなか確保できなかった体内活劇「はたらく細胞」に行ってきました。
意外に当日券は取れやすそうに見えますが、アニプレ主催だけあって、
マチソワでもきちんと割られているグッズは、アクスタやトレーディングカードどころか
パンフレットまで売り切れててビックリしました。15分以上前には着いたぞ…?
そもそもパンフレットが売り切れている舞台は初めて見たかも。
(アニプレ主催なので事後通販が既に予告されておりアフターフォローはバッチリですが)

カンフェティで格安販売されていた席だけあって、予想通り、機材席の覆いで
一部見切れてました。体内活劇は客席通路内での演技もかなり長くて、
見えない2階席が思い切り割り引かれているので、覚悟はできてたんですけど。

開演15分前から各細胞のアンサンブルキャストが細胞という設定である
一般客に絡みます。白は白血球or一般、赤は赤血球、水色は血小板、
黒はT細胞扱いされると事前告知されていて、私も前夜、諦めきれなくて
閉店間際のユニクロに真っ白な服を買いに行きましたが、通路席ではないので無意味(苦笑)
白い服を着ている人は多く、むしろ緑の人がインフルエンザ扱いされて目立ってたような。

5分前から始まるT細胞の前説で、白血球の決め台詞を観客も復唱しろ等
練習を行うのですが、アンサンブルの絡みは劇中でも細菌ウイルスチーム中心に
客と絡む(劇場を体内に見立てた体感型コンテンツとして設計されている)
前振りなんですね。始まる前から笑いと拍手があふれている作品でした。

幕が開くと、驚くほどに原作のエピソードをそのまま展開してました。
漫画の既刊は多くは無いので、献血ルーム据え付けので読破済なのです。
アニメは一部しか見れてないんですけど。和田さんの白血球は、
前野さんの低音ボイスを意識しつつも、殺意は重低音ではなく直接的でした。
「死ね死ね死ね!殺す殺す殺す!」みたいな。白血球の作中武器は、
マクロファージやNKなど長物を使うキャラが多い中、短いナイフ。
間合いが短くて殴り合いっぽくなるんですけど、血をぬぐう仕草だけ長谷部でした。
ちゃんと殺意の塊じゃない白血球の不器用な優しさも表現してました。

リアルなお子様の高音が本当に可愛い血小板(彼女たちの勤務時間が
21時を過ぎることが出来ないので、1時間50分で必ず終了することになっている)まで
きっちり原作再現なのですが、唯一違うのは最近ウィルスチームの自由なアドリブ。
いや、アドリブじゃなくて計算だと主張する役者さんもいますが…(笑)

サンレッドの高木しゅんりーさん、アニプリ仁王のまっすんさん、
義伝政宗役の富田さん、馬場りょさんと座長の和田さんより芸歴の長い
先輩がずらりなのも、一発で納得でした。何故か通路にお立ち台が置かれるこの演目、
なんと見に来ていた橋本祥平さんが立った日もあるみたいなんですが、
選ばれし観客をお立ち台にあげていじりまくるんです(笑)
ちゃんとサイン入りトレカもらえるので相応の報酬はあるんですけど。

あまりに自由な振る舞いの細菌たちを回収する…対峙するのが座長こと白血球の務め。
こっちは上映時間とか気にしてるんだぞ!という魂の発言が忘れられません(爆笑)
和田さんも勢いに引きずられて関西弁アクセントになってたり、はちゃめちゃでした。

フリータイムと、きっちり知識も映像で映し出しての(T細胞の過去写真も
ちゃんと撮っていて細かいなと思ったり)原作の良さを両立させ、
かつ長くないので笑っていたら終わっててすっきりという、見事なエンタメでした。

がん細胞のエピソードだけは、がん細胞で身近な人が死んでいると
ちょっと感想変わってくるかな、と思いましたが(舞台だから、ではなくて
原作からそう。藤川さんの訃報を聞いたばかりだからそう思ったのかも)
健常な人間でもがんは出来まくっていて、作中みたいに免疫細胞が
やっつけてくれてるから何事もなく生きていられるのです。
これが、なんらかの要因で免疫細胞が敗北するとがん増殖一直線という。

アニメも舞台も面白くて、ゆますさんが目をつけるだけのコンテンツではあると思うのですが、
原作マンガが…かなりスピンオフ出してますけど(ほぼ未読)ストック足りないのが
エンタメ業界で戦っていく上では辛いところです。ソシャゲ出るみたいですけど。

2018.11.22 wrote


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