Land of Riches


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 2018年06月09日(土)   歴史の存在意義 

無印良品の疲れにくいスリッポンスニーカーを数か月?下手したら年単位で
とっかえひっかえしながら履いてきたせいで、近頃では違う靴を履いて
出掛けるだけで疲弊することに気づきました。今日メッシュの買い足してきましたよ。

今日は数日前の発売日に文春からの発売告知がRTされて存在を知った
増島みどりさんの「日本代表を生きる」を購入し、読みふけってました。
「6月の軌跡」で1998年フランス大会代表を綴った増島さんが、
市川さんの引退セレモニーで得たインスピレーションで、同じメンバーの
約20年(私も歳とるわけだ…!)が経過した現在の様子を追った渾身の力作です。

約1名(中田英寿さん)を除き、全員が現役(まだ6人もいる!)や監督、
クラブスタッフ、指導者、解説などさまざまな領域でサッカーに携わっているそうです。
その誰もが、あの3連敗で得た経験を糧に、日本サッカーのために
今も戦い続けているのだというテーマでまとめられていました。

刻んだ出場時間は人それぞれ、けれど、多くのメンバーが口を揃えるのは、
代表離脱となったカズ&北澤の精神力の強さ(だからこそ北澤さんが今、
JFAに遠慮した発言しか出来なくなってしまった現実が哀しすぎるのですが)、
10代ペアをもっとサポートすれば良かったという気付き、そして何よりもの代表の誇り。

この本が6月に発売されたのは、ワールドカップ目前でサッカー人気が
高まっているという読みだったはず。しかしながら、ハリル解任以降、
代表は戦績と注目度が下がり続けるというどうしようもないマイナススパイラル。
(私も昨夜…今朝というのかな、2時からのスイス戦気にせず寝てました)

フランス大会代表のメンバーの姿勢をよく物語る言葉として、巻頭で、
市川さんの引退に際してKING KAZUが送ったビデオメッセージが取り上げられていました。
「これからも日本代表のため、自分のために…」

そう、彼らは日本代表>自分なのです。例えば名波さんは、それを言い切っている。

報道に歪められているのかもしれないけれど、今の…一般的には
“ハリルを追い出した”と見られている代表のメンバー、自分>代表しゃないですか。

フランス大会代表には、未来を見据えた10代のメンバー(小野伸二さん)もいれば、
出番がほぼありえないだろうけれど全力を尽くした第3GK(小島伸幸さん)もいました。
小島さんの姿勢は、後の大会で中山隊長&秋田さん、あるいは能活さんが
同じ立ち位置で呼ばれた際の規範となったことがインタビューでも明らかです。

また、代表がワールドカップに出られなかった頃からナショナルチームだった
メンバー(ラモスや柱谷さんを見ていた井原さんなど)は、
そもそも代表である事実の誇りを先達の背を見て学んでいました。
インタビューでは、カジュアルな時計を身につけていたら、代表なんだから
もっといい時計をしろと本田泰人さんに時計を贈られたエピソードもありました。

本の内容自体も密度が濃いのですが、今の日本代表に足りない要素が
読んでいると浮かび上がってくるようで、なんとも言えない読後感でした。
JFAのお偉いさんはどこからずれてしまったのか…キリンのスポンサードだって
たまたまお向かいだからってアポなしで突撃して始まったなんて初めて知りました。

ちなみに、20年前人生のほぼ全てだったと言っても過言ではない相馬さんは、
最終予選の国立初戦、埋まったスタンドから紙吹雪が舞った景色が
試合自体よりも忘れられないそうです。確か紙吹雪はすぐに使えなくなって(苦笑)
青いゴミ袋を振り回す路線に変更したと記憶していますが、間違いなく圧巻の景色でした。

相馬さんはゼルビアの選手にもプレーする幸せを感じて欲しいから、
観客が1万人超えた時は嬉しかったようです。あの頃は感想を墓まで持っていくと
取材でも答えていた(いまだに映像による記憶の上書きは拒否しているそうです)のに、
こうやって語る立場になったのも、時の流れというものでしょうか。



ここからはサッカーと関係なくなってしまうんですが、代表チームって
2.5次元舞台の座組に作り方が少し近いんじゃないかと思いました。
鈴木拡樹さんが、新感線の髑髏城に参加して、ずっと同じメンバーの
劇団っていい(いろいろとつっこみあえるから)と思ったみたいですが、
サッカーで言えば劇団はクラブで、公演のたびにオーディションなり
オファーなりでメンバーが決まる2.5次元の座組は代表みたいな成り立ちです。

刀ステの座組は仏の拡樹座長を筆頭に、座長と同世代(30代)の実力派、
和田雅成さんみたいに刀ステに長く出続けているメンバー、
そして今回初参加のテニミュ3rd世代の若手と多様なメンバーが集まっています。
座長は若手の殺陣稽古にも積極的に付き合うし、他のメンバーもとにかく時間があれば
殺陣の練習をするというストイックな稽古を送っています。

年齢の上下、あるいは経験の多少が全てではなくて、いろんな時間を過ごしてきた
いろんなメンバーが集まって仕事をして生まれる奇跡のようなハーモニー。
パンフで全作出演の荒牧さんが、他の作品の仕事をして帰ってきたメンバーの
成長を感じている話をしてましたけど、かなり理想的な在り方じゃないかって思いました。

…こんなLRをミスチルの古いアルバム聴きながら書いている私って、
一体どうなってしまっているんでしょう。今週は刀ステのせいで神経過敏かも。
竹箒日記で他ゲームのループ話があっただけで過剰反応してましたし。


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