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 2017年06月12日(月)   23世紀になっても 

★注意! 舞台刀剣乱舞「義伝 暁の独眼竜」のネタバレです!★

虚伝・長谷部役の和田さんは劇団シャイニングの稽古が苛烈過ぎて、
義伝をとても見たいのに機会を取れず、ライビュに行こうとニコ生で言ってましたが、
私が行った今日、ミュの倶利伽羅役である財木さんが見に行っていたようです。
それも台湾でのイベントからの帰国直後に。同時期に同じキャラクターを
別の役者が演じるというのは滅多になく、拡樹さんでさえライバル心を隠さないのに、
見に行って素直に(少なくとも表面上は)褒められる財木さんは真面目だと改めて。

とうらぶが原作ゲームでの台詞が少なすぎたりというのもあるんでしょうが、
同じキャラクターながらミュとステの倶利伽羅は役者の着眼点が違ったり、
ストーリーでの役割が違うので、かなり異なるベクトルの姿として板の上に現れます。
ミュでは一人の農民との交流で変化していくのですが、ステでは徹頭徹尾
孤高を貫く一匹竜王のまま。一切馴れ合いません(花丸もそうでしたが、
二次創作でも最終的には絆されるパターンが多いので、ある意味新鮮)。
どこかワガママですらある振る舞いは、ひどく義伝の政宗と似ています。

そろそろ核心に触れても大丈夫かな?
もう少しだけあんまりストーリー関係ない感想を。

▽殺陣がやばい▽
これを1時間半くらいしかないインターバルで1日2公演3日連続とか
鬼畜の所業としか思えぬヘビーな殺陣です。二階建てではなくなりましたが、
今回も結構きつそうな八百屋舞台です。キャストがマッサージ系の器具を使ったり、
やたら肉を食べに行ったり、見に行った人が怪我無く…を連呼するのも納得でした。

▽予習は必要?
パンフレットの対談は読んでおいた方がいいし、歴史知識も多少は必要かも。
忠興の兜だけで誰だか分かってしまったりとか…とはいえ、あまりに独自性が強く、
本当に伊達や細川が好きな人から見たらどうなのだろう、とも思いました。
虚伝の復習は必要ないですが、見てると「あ、同じフレーズ?」とにやにやできるかも。
(義伝の政宗は信長をリスペクトしていた設定)

▽拍手のしどころがわかりにくい
OPは怒濤過ぎてする暇なし、EDもフライングして目立ってた人いたけど凄く気持ち分かる、
日替わりはむしろ板の上から拍手を要求される?みたいな感じで、
これ何気にめちゃくちゃ難しいと感じました…カテコでいっぱいすればいいですが!










※ここからストーリーについて

今回は休憩ありで1部70分+休憩15分+2部100分の3時間5分公演。
これで脳が焼き切れそうになったから、4時間と噂の「子午線の祀り」に耐えられるか不安…。
(ちなみに虚伝は休憩なしの140分)

全体として7面の「九曜と竹雀の縁」がベースで、そこに太鼓鐘と倶利伽羅が
回想をする関ヶ原を貼り合わせ、いろいろふくらませた贅沢なストーリー。
(小田原征伐も出てきて、アンサンブルの演じる秀吉がいたり…。
 今回はアンサンブルは演じる役が本当に多くて大変そうです)

パンフレットで和田琢磨さんが、それぞれに物語があるけれど、
どんどん切り替わっていくから散らかった感じにならないように…といった
話をされていた通り、1部は「貞ちゃんとの再会が嬉し過ぎてジャイアントスイングや
テンション高すぎる料理(エビのアヒージョおにぎり?!)や畑当番をする燭台切」
「遠征先で仲違いする倶利伽羅と歌仙(東北の田舎刀複数回頂きました!)」
「小夜を心配するもまともに話せず相手にされない近侍の山姥切」
「死に場所について意見が相違する伊達政宗と細川忠興」などの場面が
とにかく切り替え早く繰り出されて、把握するだけでオーバーヒートに。
そう言えばオペラグラス全く使わなかったです…1階席の一番端だったのに。

小夜に山姥切が絡むのが刀ステ本丸独特の要素で、山姥切を更に三日月が
見守ってます。三日月は他のメンバーについても引いたところから見ていて、
虚伝でも張られていた伏線(自分はいつかいなくなる)を殊更に強調します。
この本丸は過去ではなく“未来に”大きな試練に襲われる、そのために
みんながもっと心を強くしなければならないと説くのです。
(虚伝再演でループ説が唱えられてましたが、この三日月は未来を知っている可能性あり)

政宗は天下を欲し、その負の感情がお馴染みの黒い鎧に宿ります。
刀が正の付喪神なら、鎧が負の付喪神というオリジナル設定ですね。
鎧に憑かれた政宗は本来なら縁のない関ヶ原に登場し、大暴れした結果、
親友の忠興に討たれます。ここでFate/haばりに時間が巻き戻され、
関ヶ原は何度も夜明けの開戦を迎え、阻止しようと動く男士たちは
黒い鎧の圧倒的な力に屈し、巻き込まれて暁に巻き戻されてしまいます。
(伊達の真剣必殺攻めで勝てそうになるも、倶利伽羅が政宗を斬れずループに)

勝ち目のなさゆえに憑依されることを選んだ鶴丸は黒鶴と化して一行とバトル。
最終的には執着を断ち切った政宗と伊達刀たちによって辛くも勝利しました。
1部の猛烈なスピードに比べると、2部は殺陣こそ派手ですが、
ストーリーがループなので間延びした印象は受けました。
殺陣も、まだ勝てないのか、まだ倒せないのか…と思ってしまうくらい。

一方、本丸の小夜と山姥切は言葉と刀で激しくぶつかり合い、最終的には
復讐心と向き合うために小夜がこっそり修行に出るところで終わります。
他のメンバーがラーメン光忠で宴会する(刀ステ本丸の燭台切は
妙な名前のカタカナ料理が好きなチャレンジャー系料理人っぽい)のと対照的です。

とにかく熱く、重く、そして続きが気になる刀ステでした!


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