Land of Riches


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 2017年04月23日(日)   IDEAL 

理想が高いのは勝手だけど、それを他人に押し付けるのはいいわけがない。
頭では分かってるんですが、そうしてしまっていることは多々あります、無意識に。

昨日は刀ステ鑑賞会、今日は刀ミュ大楽ライビュ、明日は生観劇と舞台漬けです。
三百年の子守歌、見ました。映画館の最前列で。カーディガンを丸めて
首枕の代わりにしてみたけど、やっぱり見上げすぎて痛い痛い。

事前にミュ史上で最も予備歴史知識を要求すると知っていましたし、
ちらほら感想らしきものも不本意ながら仕入れていました。結果としては
どこかで見かけた感想通りでした。『役者はいいけどシナリオがダメ』

初期刀必須、歴史へ過剰に介入しない等、とうらぶのお約束を打破し、
史実の徳川四天王が全滅し、刀剣男士が成り替わるという斬新な設定を導入。
一振りだけ武家の刀でなかった石切丸隊長がメンタルを少しずつ壊していくのを
丁寧に描いていった……のに、クライマックスの信康の死で流れをぶち切り、
家康の臨終に飛ばしてしまうあたり、まるで私が書くSSみたいだと思いました。
とりあえずぶった切っておけば終わらせられる、的な。

信康の死までは過剰じゃないかと思うぐらい丁寧にやっていた(そもそも
2時間ちょっとで人の一生を描く時点で密度ありすぎ)のに、
広げた風呂敷をたたみ切れなかったような後味だったのは残念でした。

ミュは前作も、近藤を切らなきゃいけない…となって長曾根が苦しむ中、
蜂須賀が代わりに介錯するシーンがありましたけど、今回も結果としては
男士の長期滞在を排除しに来た検非違使に信勝は刺されたとはいえ、
(史実では自害させられた)信勝を誰が殺すかが大きな焦点となっていました。
汚れ仕事を厭わない長谷部は進行に便利なキャラとしていつか登場しそうだと思いました。

正直この密度なら前後編で舞台作ってもコンテンツとして耐えられると思いました。
泣けるストーリーではありますし。だからこそ終わり方がもったいないというか。

刀ミュはテニミュみたいに若い俳優を抜擢して成長させる風に始まったのですが、
ステとの兼ね合いもあるのか、今回は荒木さんみたいな若くはない役者も交えて
かなり平均値が高くなってました。spiさんが雑誌の取材で、刀ミュは
顔・演技・殺陣・歌・ファンサービスと求められるものが多すぎると
言ってましたけど、特に歌のレベルが高かったです。これまでの公演は
むしろうまい人の方が少なかった(暴言)のに、今回は安心して聴けました。

中でも実装されて日の浅い村正を演じた太田さんが終始くねくねとしてて、
キャラが定着してなくてとても難しかっただろうに、らしさを刷り込まれました、こちらが。
歌もめちゃくちゃうまいんですよ。1部でやたらソロがあるのも納得。

そして3rdの関東氷帝で手塚として圧巻のソロ曲を披露していた財木さんも、
開演前の映像から塩対応難し過ぎなのに凄い(ミュは終演後の挨拶も
キャストとしてやることが許されないので、とても難しかったと思います)と
唸らされましたが、2部のダンスに至るまで完璧な大倶利伽羅で最高でした。

刀ミュ全体の需要が2部に傾き過ぎてて(ファンサをもらうためだけに
マナー違反が続出)その極みが真剣乱舞祭なのですが、今後ミュは
どこに行くのだろうとは思いました。これからのマイルストーンぼんやりですし。


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