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 2016年09月17日(土)   雅を巡る(物理) 

3連休で雨が降らないのはこの日だけ、という予報でした。
仕事の疲れもあって迷ったのですが、結局、実行しました、文京区の歌仙スタンプラリー。

永青文庫に歌仙を見に行ったのは結構早い段階で、スタンプラリーは
ポイントが出揃う9月になってからでいいや…とたかをくくっていたら、
8月とは違って職場の状況が悪化してしまいまして。一寸先は闇ですね。

スタンプポイントは文京区内の施設なのですが、不定期会館の施設が含まれていて、
この日も午前中だけ開館となっていました。よって、家を出た時点で
スタンプコンプリートは既に不可能というシチュエーション。

最初はゴールから一番遠い印刷博物館。二次創作に親しむ審神者にとって、
印刷は身近なテーマであり、楽しかったという評判を多く聞いていました。
私も、連れがいたら一文字ずつ活字を組んだりしたかったですね(遠い目)
審神者を意識して、昔の武将を描いた絵を展示したりしてました。

次の展覧会が武士がてがけた印刷(家康が如水没後に献上された吾妻鏡を
出版しているのはその一例)なんですけど、その予告ビラの印刷も
独特のインクの盛りで触感がめちゃくちゃ面白くなってました。

スタンプポイントが分からず地蔵通り商店街をさまよった次は、
丸亀城レベルの坂の上にある鳩山会館。ステンドグラスや家具などから漂うのは、
永青文庫の上品さとは似つかぬ、成金っぽさというか俗臭というか。
鳩山家も今では代を重ねた政治家一家なんですけど。

次は講談社野間記念館。ここが個人的には一番収穫でした。
講談社を設立した野間清治氏が収集したコレクションを展示しているのですが、
現在のテーマは横山大観。野間氏は古典作品を蒐集するのではなく、
当時、時代の先端を走っていた画家たちの作品を買い集めていました。

次の展示会テーマが当時作られた子ども用の絵本なんですけど、
子どもたちのために昔話も超一流の画家たちに描かせました。
その他、当時は雑誌の表紙を飾る絵が大量に必要で、コネクション確立も目的として
当時の画家たちの絵を集めた結果が現在残されたコレクションとなったのでした。
画家たちから見れば、パトロンが現れた…といった感じだったようです。
(絵だけじゃなく、野間氏とやり取りした手紙もありました)

実際に大観が表紙を担当した書籍とその原画も、2点展示されていました。
1冊は関東大震災で燃える寺を描いた『大正大震災火災』。もう1冊は『大日本史』でした。

大日本史は水戸光圀が手掛けた歴史書です。水戸藩士の家に生まれた大観は
明治になってやっと完成した旧主家の偉業に絵をつけるのは恐れ多いと
表紙画を実質拒否し、表紙は光圀が愛用したとされる道服をイメージした
材質の装丁に光圀の書から抜粋して組んだ「大日本史」の4文字を入れました。
そして、表2からの見開きに、墨一色で丁寧に描いた葵を入れたのです。
この葵がモノトーンながらとても美しくて、旧主家への敬意を強く感じました。

その他、歴史画で知られる安田靫彦の花の絵(歴史画の印象が強いのは
当時の画壇のために歴史画を率先して描かなければいけない事情もあったよう)や
中学校の頃に何度も読んで平家物語にハマったきっかけになった大判本に
載っていた小林古径「平重盛」の現物があって、予想外に嬉しかったです。
まさかこの歳になって、燈籠大臣の姿をこの目で見られるとは…!

胸突坂を芭蕉庵寄りつつ駆け下りてゴールの新江戸川公園へ。
スタンプラリーはこの3連休でおしまいとあって、花丸歌仙も増えたパネル部屋の前には、
大名の謁見を待つ家臣の如く女性審神者が列をなしてました。10人以上。
この建物の中で一番涼しい部屋にいるパネルと描き下ろし絵、流石です。
描き下ろしが美しいので、クリアファイルも買ってしまいました。

実はこの日一番てこずったのはこの後で、椿山荘になかなか入れませんでした。
カジュアルどころじゃないラフな格好で、しかも建物を間違えるわ、
正しい建物に入っても結婚式の出席者だらけでクラクラするわ…と。
改めて、あれだけの格のホテルがとうらぶとコラボしたことの偉大さを感じます。

あまりに素晴らしいコラボで、とうらぶコラボのハードルが下をくぐれそうなぐらい
上がってしまいまして…これからの自治体は、優しい目で見ようと思いました(微笑)

2016.9.19 wrote


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