Land of Riches
Index|Before|After
J2の日曜開催が主要因で(あと録画機器がないのと、土曜見るほどやる気が無いことで) 飛び飛びでしか見られていない大河ドラマ「平清盛」ですが、本日の#43は良い回でした。
「忠ならんと欲すれば孝ならず」というのが、#43のタイトル。 戦前、誤った用法で学校教育に使用されたせいで、ちょっとタブーっぽくもあるのですが、 我欲にまみれた現実的な清盛に対して、理想を貫きすぎて非現実的な長子・重盛の 平家物語における代表的な台詞です。まさに、フィクションの中でしか存在できない人物設定。
いや、決め台詞って大事ですよね。今、新テニのソーシャルゲームやってて、 ポイント稼ぐための仲間クリック(で寄せられる一言メッセージ)してると痛感しますもん。 キャラクターが立っている条件として、外見としては“シルエットでも判別できること”、 内面では“物真似がしやすいこと”があるそうなんですけど(from放課後の王子様1巻カバー) テニプリはそれを両方クリアしているという…つまり、コレを言う奴はアイツ、と 誰でも一瞬にして判別できてしまうという、素晴らしいファクト。
話がそれました。キャストに若い人が多くて(清盛を演じる松山さんと 重盛を演じる窪田さんは4歳しか離れていない)ルックス的には不自然さも 多々感じる大河ドラマ―だから主要顧客である年長者に敬遠されるのでは―ですが、 まだ24歳の窪田さんは、あまりに大きすぎる清盛の目指すものを共有できないまま、 それでも必死に着いていきつつ、かつ自らの美学にも忠実であろうとして 板挟みで心を壊していく重盛を見事なまでに体現してくれています。
「今、父が何を考えていて、叔父や弟たちは何を思っているのか、 常に気を張っているというか。そんな重盛を全力で演じています」
義兄が平家に謀反した鹿ケ谷事件で、どうにか義兄を救おうとボロボロになり、 (義兄は流刑先で崖から突き落とされ…ではなく餓死させられたという更に酷い設定に) 更に清盛が後白河院を自邸へ軟禁しようと企て一門を全員集合させた、 あの「平家物語」での見せ場を本日はやってくれました。
入道清盛に至るまで一門全員が武装している中、白い狩衣で入ってきた重盛。 父と後白河院、どちらについてもどちらかを裏切る事になると涙ながらに訴える姿は 素晴らしい熱演で、24歳にしてあの歴史的名言をしっかりこちらへ投げてくれた そんな才能ある役者さんに重盛を演じてもらえて、重盛好きとしてはおなかいっぱいでした。
窪田さんは、知っている人は知っている、力のある若手俳優さんみたいですが、 いかんせん、私、芸能界はさっぱりでして……今回、名前を覚えたと言えます。
Fate/zeroが終わった後、ufotableの近藤さんがおっしゃっていたんですけど、 原作があるものの制作は、人の子を預かって育てるような感覚らしいです。 大河ドラマ自体は原作小説を持たないのですが、重盛や知盛は歴史上の人物。 役者さんではなく、そちらに思い入れがあって見ている人間からすれば、 才覚溢れる方が思い入れを持って全力でやって下さるのは、本当にありがたいことなんです。
知盛を演じる小柳さんも、知盛らしさを胸張ったり試行錯誤してくださっているそうで。 重衡がチャラい設定なのがちょっと気に入らないんですけど(でもそうしないと、 平家物語の重衡は他の兄弟と比べるとキャラ付け弱いからな…) 普通の人には響かないだろう、兄弟の葛藤がちゃんと描かれていて、 低視聴率で騒がれている大河ですけど、私は楽しく見てます。
▼次の高みへ
クランクアップ時の窪田さんのブログです。ここまで言ってもらえるなんて、 重盛好きのこちらこそ、本当に嬉しくて、ありがたくて、感謝でいっぱいです^^
好きなキャラは、丁寧に、深く思い入れて演じて頂くに限るし、 そうして頂けるのは幸せなこと。アーチャーの諏訪部さんもそうですね。
|