ずっと買い物がしたかった。
試合が終わったら、バーゲンへ行こうと思ってた。

そんな気力なくなった。あんなに会いたいと思ってた人が
本当に目の前へ現れてくれたのに、声すらかけられなかった。

かろうじて電車を降りて、LUSHだけは行った。
バスボムのヤケ買い。

“ラッシュプリン”を溶かしたバスルームで、うなされたように繰り返す。


「ミカがいない」

「ソメもいない」

「ミヤもいない」

「スナオもいない、カトウもいない、ヒラキもいない、ケイもいない」


「アキもいない、ヒロノリもいない、タムラもいない、イズミもいない…」
平塚では我慢したけど、ちょっと泣きそうになった。
想像がつかなくて。

別れはいつだって辛かった。
だけど、今までは「下級生が多いから」と自分を騙してきた。

当たり前じゃない、と何度も言い聞かせてきた。
大学へ進学して、試合を観に行くたび、1学年上の彼らが一緒にいることは。





独りよがりなのは百も承知で書く。

最後の大会、池田＆船山のツートップで戦えて、本当に良かった。
やっぱり、池田圭先輩は最高の先輩だ。
圭先輩がいてくれたから、船山さんは輝いてたんだ。
………絶対に独りよがりなんだ、これは、ちくしょう………。

その先輩は、もういなくなる。
「エース船山」と書かれても、違う、とはもう言えない。

絶対に忘れない。
船山さんがセミファイナルで見せてくれた喜怒哀楽を。
頼もしかった先輩たちとの想い出を。



楽しかった。先輩たちがいてくれて良かった。本当にありがとうございました。

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