Land of Riches


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 2004年08月20日(金)   サンクチュアリ 

2本のタッチラインとゴールラインで仕切られた、神聖なる緑の芝。
そのラインが、どれだけ太く、また、ナショナルチームの青いウェアは、
どれほどの重みがあるか、昨日は人の強さと優しさをまじまじと感じた一日でした。

新幹線では、ろくに眠れもせず静岡到着。
藤枝の山の中では、なぜか静選の第2試合から、何度もピッチを雲が抜けていきました。
そのたびに、雨。雲は水でできているから。

羽田さん練習試合出場のメールが。3年も待ち続けたのに立ち会えなかったおのれを
さんざん(代表の試合中にもかかわらず)呪い続けましたが、それでも、
実際にその場へ立ち会った方からすぐに第一報をいただけた私は、幸せ者なのです。

大熊ジャパンは相変わらず―怒られる寺田さん@左サイドの姿でさえも、相変わらず。
既知のもの。

「マス、頑張れ、お前が(ラインを)上げるんだ!」
キャプテンの仕事は、先頭にたって引っ張ることかもしれないけれど、
先頭にたって「自分が目立つ」こととイコールではありません。
何か気に入らない事態が発生した時に、どう妥協していくか、それが大人への階段。

私も妥協は嫌いだ、大人になどなりたくないと言い続けている奴ですけど、
ナショナルチームのフットボーラーとして成したいことがあるなら、
酒やタバコのように節制しなければならないものがある…。

祐三さんはワンボランチとして一生懸命埋めてまわっていた(特に途中から
吉弘さんに代わって右ストッパーに入った柳楽さんを。左の水本さんは
この日も全幅の信頼を寄せられる安定感)のですが。

サッカーが点取りゲームなら、攻撃の方法を確立しないと。

静選の何人が最終的にJリーガーとなるかは分かりませんが―昨日の狩野健太くんは
その前に最悪で「いない方がマシ」と言われたよりは良かったという程度、だそうです。
悠然と歩く姿は、昔の野沢さんに似ている…でも、波がどれだけ激しくて、その日
5分見ただけで寄せるに値する期待の度合いを決めてしまえる選手だとしても、
小笠原さんがかつて波の上下動が激しすぎると言われいた頃を思えば、許せるのです。

時は、どう流れるか分からない。

いい時はいい、そんな選手ばかり。悪い時にそれなりにこなせるのが、本当にいい選手。
それでも、高卒ルーキーはその時点での持てる力と秘めた可能性を計算されて
獲得に至るもの。夢を見るなら、夢を見させてくれる、夢を創り上げるパーツが必要だから。

たとえば、登場人物とか。

I'm only a prayer, but you're a player.
祈ることしかできない、だけど、祈りが通じたら、キミと気持ちを分け合える。

自らの成すべきことを見据え、鋼のような意志でおのれが頭の上へ作り上げた
はるかな目標に向かって歩いていく、ピッチの中でしかできないことがあり、
ナショナルチームの一員なら、ましてやらねばならないことがある…それを全て
いつもの顔で成し遂げてしまった貴方の心の強さ(強靭なメンタルの持ち主とは
知ってはいたけれど、改めて)に感嘆し、同時に、貴方の戦い振りをいつも見守っている
全ての人たちに幸あれと強く願います。それが、U-23の戦いが完結しての、最後の感想。

なす力があり、なしとげてきた過去があるから、その眼によってつむぎだされる言葉は意味がある。


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