Land of Riches
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2003年07月21日(月) |
365days×2years |
2年の歳月は、人を変えるには十分の長さです。私も、周りも、どんどん変わっていきます。 人は多くの人や“もの”と出会い、そして別れます。人生は、それの繰り返し。 当然、2年前に親しくしていながら、今ではほとんど連絡を取らない人もいれば、 2年前には存在すら知らなかった人が近くにいたりします。何事においてもそう。 サッカーも例外ではなく―記憶力に優れた人においてすら、2年前は紛れもなく、過去。
アルゼンチン・ワールドユース代表、完全に歴史の狭間へ埋没したチーム。
けれど一つだけ間違いなく言えるのは、人はそれぞれ異なる経歴・違う過去を 毎日積み上げてきて(布先生流に言えば、一枚の紙切れが積み上がっていって) 現在の自分を作り上げたのです。そして現在していることが、未来の自分を作るのです。
人と出会う時、その人と私の間にある接点なんて、さして大きくはありません。 でも、その小さい点を通して、ふれあい、感化して、感化されて、成長するんです。 環境に対してでも、同じ。このリピートこそが生きることで、それは命尽きるまで続いて。
“同じ過去・共有した時間”が“異なった記憶・独自の経験”へと変化した今でも、 過ぎ去った時に価値があるのはいつまでも変わりなく―だからシンパシーも消えないのです。
六甲颪に颯爽と 蒼天かける日輪の 青春の覇気麗しく 輝く我が名ぞ 阪神タイガース
土産物コーナーでこの曲がエンドレスリピートだったり、 あらゆる物―求人誌B-ingでさえ―が黄黒の縦縞だったり、 大阪を包む“熱気”は、どこか不可解なものです。 でも、それは日本中が青に染まったのと同じなんでしょうか? そもそも、私はこの歌をすらっと歌える時点で、 何か偉そうに言える資格がないのです。私は、そういう育ちなのです。
グラン vs サンガ(イムは即座にレギュラーを取るだけの力がないように見えます…)と 大臣杯(筑波は藤本淳吾さんのワンマンチームと化していました。まさか、あれほど 不安定だった駒大がタイトルを取るとは思いませんでしたが。関大のセゾンFC→静学 あるいは野洲高系のテクニシャンを並べた細かいボール回しのサッカーと、広島大の ノリノリ応援団には好印象を抱きました)に続き、またしても、救いようのない試合を 見てしまいました。サテライト・セレッソ vs サンフ。恭平さんの出番がなかったことさえ 私の中では印象が薄れてしまうほど、とにかくダメな試合。見てて、悲しくて悲しくて。
サンフ―トップが第2クールを迎え、一時の勢いを失い失速した今、長丁場のJ2ゆえに 下からの突き上げが不可欠にもかかわらず、イレブンには覇気が感じられませんでした。 一人をのぞいて。林さんや大久保さんのミスが直接失点に結びつくという最悪な 取られ方をしていても、それにしても、声一つ出ない有り様は情けなかったです。 しかも、そんな試合をしていてもハーフタイムや試合後の表情から悔しさが伝わらないのです。 白い歯さえこぼして。チームの一員であること、プロサッカー選手であること、 その大前提さえおぼつかなくて―たった一人、高木さんだけは、大宮(と書いて 「トップ」と読む)と変わらず、走りまくって、どうにかしようとしてました。 彼だけが、あからさまに不満そうな顔をしていました。苦しい時の戦力として 彼ら若手が期待されているのなら、逆境に対峙する精神力は不可欠なのに。
サテライトで地道にフィードを磨いてきたという大久保さん。それを見るのを 楽しみにしていたのに、それどころではありませんでした。ヘッドでの競り合い以外、 スピードでも振り切られ、1対1の対決でも勝てず(もっとも組織の存在が感じられず 個での守りを強いられた部分はありますが。佐田・須田コンビの陣取る両サイドは えぐられたい放題なのに対策もなく…)あまりにもCBとして許されないプレーの連続に 嘆きやため息ばかりでした。DFには過失は許されません。DFは無難で当然なのです。
それでも、こんな試合をしてもなお、大久保さんも高木さんもファン応対は礼儀正しくて、 向こうが発言を待っていても、何も言葉を見つけられず、立ち尽くしてしまったのです。 …本当は手紙を書いて行く予定だったんですよ、大久保さん。なのに、待ってもらったのに、 私は何一つ口にできませんでしたよ。代表ユニにサインが欲しいという、自分本意の用事以外。
にしても、サンフの“夏用移動制服”は微妙でしたよ。それに白い靴ですかい、恭平さん。
西村さんは西村さんのままでした、いろんな意味で。誰だってそう、髪型を変えても プレースタイルはなかなか変わらないのですが、そんな姿に過去を解凍されても、 それは西村さんにとっては、どうでもいいことなのです。2年の間、違うフィールドで サッカーを追いかけてきたのですから、当たり前ですけど。次の対戦相手を忘れていても。
福王さんは去り際に「あつ〜」とぼやいていて、外も中も親にそっくりな真中Jr.と共に 荒んだ心を少し癒してくれました。来週は長谷川さんの引退セレモニーがあるというのに、 鹿島は、鹿島はねぇ…西村さんは私たちのささやかな願いを受け取ってくれるでしょうか? (答えは「いや、ない」と反語調になってしまうでしょうけれども)
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