橋本裕の日記
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| 2007年07月07日(土) |
クラス崩壊と腰痛(1) |
昔はよく腰痛に悩まされた。とこう気軽に過去形で語ることができるのは、9年ほど前にわずらったメガトン級の腰痛を最後に、私はこの憂鬱な健康被害からいまのところ解放されているからだ。おそらく、今後私はこれほどの腰痛に悩まされることはないだろう。
その理由は、現在の私は「人はなぜ腰痛になるのか」、「腰痛にならないためにはどうすればよいか」について、それなりの理解を持っているからだ。だからこの理解に基づいて、私が正しい行動をする限り、腰痛を恐れる心配はないし、たとえなっても、以前のように重症化することはないだろう。
そこで私の腰痛体験を語ってみよう。この体験をとおして私は、「なぜ腰痛が起こるのか」について、いささか自分なりに納得できる理解を得ることができた。だから、まずは9年前の私のメガトン級の体験をここで語ろうと思う。
9年前の4月に、私は職場を変わった。そして1年生の担任、進路部の担当、男子テニス部の正顧問などを任された。転勤の希望がかない、新しい高校に赴任して気分が高揚していたので、私はこれをこころよく引き受けた。ところが、職場の忙しさは私が想像した以上のものだった。
とくに私が悩まされたのは、クラス経営だった。生徒が授業中にうるさいのである。私の授業はそれほどでもないのだが、英語のA先生の授業がひどかった。授業中に紙飛行機が飛び、鼻歌がやまない。A先生に泣きつかれて、私は自分の授業の合間に、A先生の授業まで参観するようになった。その他、不登校の生徒や、暴力行為をする生徒など、毎日のように何かの事件が起こり、私は心が休まるときがなかった。
腰痛はこうした状況の中で起こった。たしか6月の梅雨の頃だったが、朝起きて靴下を履こうとして、腰が曲がらないのに気づいた。しかたなく椅子に腰を下ろして靴下を履いたが、そのとき腰に鈍痛を感じた。そしてこの痛みはなかなか取れなかった。それどころか日を追ってひどくなった。
そしてとうとうある朝、仰向けに起き上がれなくなった。体を横向きにして膝を曲げる。それからうつむきかげんに両手をついて、腕と膝を使って起き上がるしかない。腰に負担をかけると、激痛が走るのである。だから毎朝起き上がるのが一仕事だった。起きてから椅子に座っても、腰に鈍痛が残っていた。
当時はマイカーで学校まで40分ほどかけて通勤していたが、そのあいだ運転席にじっと座っていることが苦痛だった。しかし、他に適当な交通手段がない。途中で車を止め、後部座席で体を横にして休んだ。よほど家に引き返したかった。しかし、勤務を休むわけにはいかない。
迷える羊たちのような40名ものクラスの生徒と、山のような仕事が学校で私を待っていた。ここで気を抜いたら、一気にクラス崩壊がおこりかねない状況だった。すでに同じ1年生で、ほとんどの授業が成立せず、崩壊状態にあるクラスがあった。こうした事態だけは避けたかった。
(今日の一首)
腰痛のつらさ身にしむ朝起きて 今日も一日負けじと思へど
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