橋本裕の日記
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2007年06月04日(月) 中国と世界の将来

 4月はじめからどうも体調がすぐれない。咳や鼻水が続いている。熱があるわけではなく、ただ咳が苦しいだけなので、仕事もやすまず、ふつうに生活しているが、毎朝散歩をしていてもいまひとつ気分が爽快ではない。原因の一つに、「黄砂」があるのではないかと考えている。

 3月末から例年にない黄砂に見舞われた。黄砂は5月末の週末にも襲来した。黄砂を吸い込んで、いったん快方に向いていた私の咳も、またぶりかえしたような気がする。

 もっとも、最近はかなり調子がよい。今朝もほとんど咳が出なかった。久しぶりに「はれたる青空、ただよう雲よ」と大声で歌を歌いながら、木曽川の堤防を散歩した。

 黄砂は昔からの自然現象だが、最近はこれに化学汚染物質などが付着している。これを吸い込むと、アレルギーなどを誘発する恐れがあるのではないかと思っているが、まだこの方面の研究は十分ではないようだ。

 とにかく、今後中国はますます経済大国になるだろうし、大量の汚染物質が日本海を越えてやってくる可能性がある。そうなると日本でも健康被害が深刻化するだろう。やはり、日本を脱出するしかないのかなと考えてしまう。

 中国の将来については、いくつかのシナリオが取りざたされている。ひとつはバブルがはじけて、中国は混乱し、共産党政権が崩壊するというものだ。中国崩壊説は主に日本の保守的な立場の人が流している。その潜在意識には、中国が崩壊し、日本がいつまでもアジアのナンバーワンでありたいという願望があるのだろう。

 もう一つ、これと対照的なのが、中国は今後も経済的発展し、2020年頃にはGDPでもアメリカを抜いて、世界一の経済大国になるだろうという予測である。さらに中国は経済面だけではなく、軍事的にもアメリカを凌駕するという予測もある。

 こうした中国繁栄説の出所は、おもにアメリカの保守層である。そして世界的に見ると、この中国繁栄説が主流になっている。東谷暁さんの近著「世界金融経済の支配者」(祥伝社新書)から引用してみよう。

<中国崩壊説は誰が唱えているのだろうか。あっさり言ってしまえば、中国の反日政策に怒りを覚えている、日本における保守派系論壇の政治学者や評論家か、中国政府と対立する反体制派中国人がほとんどだといってもよい。世界的に見れば、中国はいずれ日本を凌駕してしまうと予測する議論の方が圧倒的に多く、崩壊説は必ずしも主流ではない>

 中国脅威説の出所はアメリカの国際経済学者や研究機関らしいが、最近では国防総省も熱心に説いている。彼らが繁栄説や脅威説を熱心に説く背景には、これによってアメリカの軍事費を維持しようという軍部や産業界の意図もみえかくれしている。繁栄説にしろ崩壊説にしろ、その根底にあるのは中国敵視の対立思考である。

 黄砂現象ひとつみてもわかるように、いまや世界は一体化している。中国が崩壊するとき、アメリカや日本が安泰でいられるはずはない。また、中国の繁栄はアメリカや日本の経済協力がなければ実際上不可能である。こういうグローバルな経済知識があれば、中国について語られる極端な繁栄説や崩壊説が、いかに信頼するに足らない妄説であるかわかる。

(今日の一首)

 うたたねに女をひとり犯したり
 草いきれのする川のほとりで


橋本裕 |MAILHomePage

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