橋本裕の日記
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2007年04月13日(金) |
品性のない政治家たち |
1月27日に柳沢厚労相が、女性は「子供を産む機械」と発言をして注目を浴びた。多くの女性に幸せな結婚をして、安心して子どもを育てられる社会にしたいというのがまともな政治家の言うことだ。
柳沢厚労相の発言にはこうした社会的な視点が欠落している。「ただ機械のように子どもを産め」というだけでは、少子化対策について有効な政策は出てこない。残念なこととである。
埼玉県の上田清司知事は4月2日の新規採用職員就任式の式辞で、「自衛官は人殺しの練習をしている」と発言し、さらに続いて、「警察官も大変なんです。人を見たらドロボウと思えと教えられ、人を取り押さえるために格闘技の練習をしている。人を痛めつける練習、ねじり押さえる練習をしている」などと言ったそうだ。
たしかに自衛官は戦争になれば「人殺し」もしなければならない。これは大変なことだ。警察官は犯人を捕らえなければならない。だから格闘技も練習する必要がある。しかし、これを「人殺しの練習」「人を痛めつける練習」と表現するところに、殺伐とした教養のなさを感じてしまう。
今月2日には、愛知県の神田真秋知事が入庁式で、「弱い、悪い遺伝子を持った方にきちんと対応しなければいけない」と発言した。障害のある人を「弱い、悪い遺伝子を持った方」と表現してよいのだろうか。
知事は3日に、記者会見し、「障害のある方々に不愉快な思いをお掛けし、不適切だったと考えており、おわびする」と謝罪したが、こういう無神経なことを入庁式でいう神田知事の人間性を疑わざるを得ない。
暴言といえば、石原慎太郎東京都知事も相当なものである。なかでも、『週刊女性』 2001年11月6日号に載った、「文明がもたらしたもっとも悪しき有害なる物はババァ」発言は、「女性は産む機械」「悪い遺伝子」という発想とつながっているようで恐ろしい。
<『週刊女性』 2001年11月6日号 (インタビュー記事)
これは僕が言ってるんじゃなくて、松井孝典が言ってるんだけど、〝文明がもたらしたもっとも悪しき有害なる物はババァ〟なんだそうだ。〝女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪です〟って。男は八〇、九〇歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む力はない。そんな人間が、きんさん、ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害だって……。なるほどとは思うけど、政治家としてはいえないわね(笑い)>
ちなみに石原慎太郎氏が引用した松井さんの発言は都内の講演会のもので、彼はそこで、石原慎太郎氏とはまったく反対のことを主張している。
<おばあさんが存在すると、おばあさんの経験が活かされ、次の世代の出産はより安全になる。さらに、おばあさんに子供の世話をしてもらえるので、次の出産までの期間が短くなり、出産回数が増える。これらは人口増加をもたらす。こうして人口の増えた現生人類は世界中に散らばり、その過程で様々な道具を生み出し、さらに脳の回路が繋がり、言語が明瞭に話せるようになったことで、抽象的な思考ができるようになり、人間圏をつくるまでに繁栄したと考えられる>
石原氏は4月8日の都知事選挙で圧倒的な支持をあつめ、3選を果たした。こうした品性のない人間に権力を与えるとどうなるか、私たちはずいぶんと大きなリスクをかけて民主主義の勉強をしているわけだ。
「石原慎太郎暴言データ集」
http://homepage3.nifty.com/m_and_y/genron/ishihara/data/index.htm
(今日の一首)
亀吉と亀子がいたよリリスケも ハルコもいたよむかしの我が家
娘たちが子どもの頃、いろいろなペットを飼っていた。「亀吉」「亀子」というのはその名のとおり亀である。リリスケはマルチーズ犬だ。ハルコは鶉である。このほか、ハムスターもいて、なかなか賑やかだった。
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