橋本裕の日記
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日本経済は長い不況に陥り、出口を見いだせないでいる。物価が下がり、賃金も下がるというデフレ現象も次第に顕著になってきた。この悪循環を逃れようと、政府はこれまで100兆円にものぼる財政出動や、史上まれにみる低金利政策で景気浮揚をはかってきたが、ほとんど効果が現れなかった。
その間に、バブル崩壊による不良債権は膨らみ30兆円をこえた。財政赤字も累積し、666兆円を超える公的借金を背負い込むことになった。この他に特殊法人がかかえている借金もあり、その総額はどれほどになるか、だれも正確に把握できない状況である。
小泉内閣は財政再建と景気対策の両方を迫られているが、もともとこの両者は相性が悪い。いわは車のブレーキとアクセルのようなもので、いくらアクセルをふかしても、同時にブレーキを踏んでいては車は進まない。これまで政府が行ってきたのは、こうした相互に矛盾する政策である。そして、そのために10年以上の歳月が無駄に過ぎ去ってしまった。
たとえば、最近の政策を例に取ると、健康保険法の改正がある。国民の負担を増やすことで財政の健全化をはかろうというわけだが、こうした政策は国民に先行きの不安を与え、消費行動を抑制する方向にはたらく。これはかなり強力なブレーキになりかねない。こうしたブレーキをかける一方で、国債を発行して、莫大な公共事業が行われている。
こうした矛盾が生じるのは、日本の官庁が縦割りだからだ。財政再建に熱心な財務省と、景気対策に熱心な経済産業省や国土交通省などが、独自にそれぞれの省益を優先させるので、相互の政策に整合性がないのである。
こうした弊害は以前から指摘され、中央省庁を一府十二省庁に再編成する省庁改革関連法が成立し、2001年1月から始動しているわけだが、その実があまり上がっているとは思えない。省益の背後にはそれぞれの業界が控えており、族議員がいる。
しかし、そうした諸勢力の要求に屈していては、首尾一貫した整合性のある政策の立案はおぼつかない。体系性のある政策を立案実行するためには、国民によって直接信託されて強力な指導力をそなえた政権を樹立するしかないだろう。首相公選制の早期実現を切望する。
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