橋本裕の日記
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2001年04月01日(日) 環境問題で世界に貢献を

 1997年の京都会議で「先進国の温室効果ガスを90年比で5パーセント削減する」という内容を含む「京都議定書」が採択された。日本をふくむ先進国の大半が2002年までの発効を表明している中、ブッシュ新政権は先月29日、「京都議定書」への不支持を正式に表明した。

 クリントン前政権が「京都議定書」に署名したのは1998年。しかし、議会で多数派をしめる共和党の議員の反対によって批准ができなかった。ブッシュ氏は大統領選中は二酸化炭素の削減を公約に掲げるなど、環境問題に真剣に取り組む姿勢を見せていた。しかし、ここにきて、「自国の産業と経済を優先させる」として、公約を完全撤回した。

 背景にはアメリカの景気後退やカリフォルニア州での大規模な停電の影響もあるのだろう。しかし大統領の意志を動かしたのは、エネルギー効率の悪い大型車を生産し続ける自動車産業や石油産業からの圧力が大きかったと考えられ、ブッシュ、チェイニー正副大統領と石油業界との深い関係がとりざたされている。

 ブッシュ政権の京都宣言離脱宣言はある程度予測されたとはいえ、世界に大きな失望を与えた。とくに環境問題に先進的に取り組んできたEU諸国の失望は大きい。ドイツのシュレーダー首相はすぐに「米国が地球温暖化への責任をまず自覚することだ。これでは将来の世代に申し開きできない」と語り、不快感をあらわにした。

 二酸化炭素の排出が現在の割合で進めば、平均気温の上昇がさらに進む。その結果次のような深刻な災害が遠からず地球を襲うことになる。
 �� 海面水位上昇による土地の喪失
 �� 豪雨や干ばつなどの異常気象の増加
 �� 生態系への影響や砂漠化の進行
 �� 農業生産や水資源への影響
 �� マラリアなどの熱帯性の感染症発生数の増加

 アメリカの二酸化炭素排出量は1990年の統計で見ても、36パーセントを超えている。アメリカのGNPは世界の25パーセント、これに対して二酸化炭素の排出量の割合はかなの高水準である。GNPで15パーセントを占める日本の排出量が現在5パーセント程度だというから、いかにアメリカがエネルギー効率の悪い体質を持っているかが分かる。

 エネルギー問題については、日本はその技術力と実績において世界の優等生だと言ってもよい。少なくともアメリカより遙かに省資源省エネルギーの生活スタイルを実現してきた。「京都議定書」のホスト国であった日本は、この条約の発効について責任があるはずである。この問題に対して河野外相が「わが国とともに積極的に合意を模索することを強く希望する」と表明したが、いささか迫力に欠ける。肝心の森首相にいたっては何を考えているのか、全く分からない。

 日本にはもともと「わび」「さび」に代表される省資源型文化の伝統がある。この強みを生かして、日本はドイツなどと連帯し、環境問題について世界に向けて積極的に発言し、ヘゲモニーを発揮してはどうだろう。アメリカにできなくて日本にできること、そして世界が今日本に一番望んでいることは、日本が「環境問題」で積極的な貢献をすることだとおもう。世界に貢献できるこの千載一遇のチャンスを逃すべきではない。


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