J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年08月23日(月)    聞きたい、だが、この車の中では聞けない。

J (3.秘密の恋愛)

8. 誤解 (2)


私としてはレイに聞きたいことがあった。
それはもっぱら気になっているレイの彼氏のこと。(参照こちら

どこかにいるのか、それとも帰ったのか、
それとも、来ていないのか、。
そして。
直会に同席するのか、否か。

聞きたい、、、。
だが、。

この車の中では聞けない。


聞けば何故そんなことを私が気にしているのか、
その下心を暴露するようなものだ。

私がレイに恋愛の情でもって好いていること。
そしてそれを消し去る努力をしていること。
このことは決して誰にも知られてはならないことなのだ。

まして。
今は葬式の最中じゃないか。
またしてもそんなことに頭をめぐらす自分を恥じるべきだ。

私はそんなことを思いながら車に乗っていたのです。


・・

墓につくとまた私はひとりになりました。
私は誰が誰やらまったくわかりませんでしたので、
レイの親族と思しき集団の後方に立って、
納骨が済むのを待つのでした。

納骨の後、手渡されたお線香を墓前に供え、
やがて全てが滞りなく済んで。

一同が場所を移すままに私も移動するのでした。


直会の会場へと。


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