J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年08月17日(火)    私は所在無くその場に残る。

7. 葬式 (13)


その後葬儀は恙無く終わり、施主の挨拶も済み。
参列していた弔問の客も散り散りに帰り始める。

私は所在無くその場に残る。

(直会に出て貰え、って言ったって、、。)(参照こちら

勝手知らぬこの土地のしきたり。
いったいこれからどうするというのだ。

と、そこへレイが近寄ってくる。

「工藤さん、今日はありがとうございました。」
「あ、いや。辛いね、レイちゃん。気、しっかり持ってね。」
「はい、。でも、もう大丈夫です。泣くだけ泣きましたし。」
「そうか、。」

私はじっとレイの顔を見る。
レイは恥ずかしそうに首を傾げる。

「泣き腫らした顔、ヘンでしょ?」とレイ。
「い、いや、そんな、。」と私。

・・それよりも。
  これからどうするんだい?
・・・これから?
   お墓に納骨に行くの。

・・お墓?
・・・すぐ近くなの。
・・俺も行くのか?
・・・だって、直会に出て貰えるんでしょ?
・・ああ、まあ、それはいいのだけど。

(だけど、どうしていいのかわからんのだよ、)
(あの車に乗って。)

(あの車?)
(そう、あの車。あの車、お姉ちゃんの旦那さんの車なの。
 さっきお話しておいたから。)

と、レイは小声で言って私から離れる。


なんとも。
なるようになれって感じになっていきました。。


(7. 葬式、の項 終わり)


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