J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年03月22日(土)    車の中での私と友美さん。

J (2.結婚)

5. 新婚旅行 (6)


新婚旅行は熱海から伊豆をゆっくり回る予定でした。

私たちは高速道路を西に向かいスムーズに車を走らせました。

途中サービスエリアで軽い昼食を取り、3時過ぎには錦ヶ浦に到着しました。



車の中での私と友美さん。

私が黙ると友美さんは黙ります。
私がず~っと黙っているといつまでも友美さんは黙っています。

ですから、私はたまに不安になって、
「どう?、退屈じゃない?」と聞いたりします。

そうすると友美さんはいつでもニコっと微笑んで、
「ううん、」と首を横に振ります。


私はできるだけ友美さんに楽しい思いをしてもらいたい。
そう思う一心であれこれ話題を持ち出しては笑いを誘いました。

昨夜の結婚式の話題は、話し出すと尽きませんでした。

ああだったね、こうだったね、と間を外すことなく二人は話しました。


・・


  私は友美さんと二人きりになるといつもこうなります。

  以前にも話しましたが(参照こちら)、何故ならいつでも私は私の世界の中に、
  友美さんの過ごしやすい世界を作っておいてあげなければならないからです。


・・


さて、結婚式の話題、そして二次会の話題、、、
話はあの友美さんを呼び捨てにしたあの男の話題になります。



私はその男にジェラシーを感じたことなんて少しも顕わにしないで、
平然と、さも偶然にその男の話題になった、気にもしていなかった、
そんなふうに装いながら、その男の話題に触れてみるのです。


内心は聞きたくて聞きたくて仕方なかった、のですが。



私は、とぼけた口調で、車の運転に注意をむけながら、
どうでもいいような話のように話を切り出してみました。


「そう言えば、あの、なんて言ったかな、あの男の子、
 ほら、ビールの一気のみに出てた、あ~、君の幼馴染とか言う、、、」



ちらっと横目で友美さんを見る私。

その視線はとっても優しげにしています。


友美さんの表情は変わりませんでした。

私のちょっとの視線に気づき、にっこりしました。



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この物語はフィクションです。

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