J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年03月14日(金)    5. 新婚旅行 

J (2.結婚)

5. 新婚旅行 (1)


結婚式の翌日。

私は友美さんに揺り動かされ起きました。

私は二日酔い。昨夜のアルコールが体中に残っていていました。


「純一さん、朝ですよ、」

食卓には朝食の準備が整っていました。
ご飯、お味噌汁、目玉焼き、そんな程度のものでしたが。


「おはよう、えっと、今何時?」

「もう9時よ、お食事できる?」

「う~ん、でも、せっかくだから戴こうか。」


正直を言えば私は食べられるような状態ではありませんでした。
でも、せっかく友美さんが作ってくれたんだもの、戴かなくっちゃね。


友美さんはすっかり着替えも済んでキチンとしていました。
髪を編みこんでエプロンをした“カワイイ奥さん”、そんな雰囲気です。

私は対照的に二日酔いのヘロヘロオヤジ。
どうにも不釣合いな新婚生活のスタートでした。


(やっぱ、おはようのキスぐらいした方がいいのかな?)
(でもなぁ、お酒臭いしな、、、失礼かな、)
(いや、新婚生活初めての朝なんだもの、キスぐらいしてあげないと、)
(でもなぁ、、、)


「どうしたの?純一さん?、、、何か私の顔に付いていて?」
「ん?、違う違う、ちょっと考え事していたんだよ、」
「何かしら?」
「君にキスをしたもんかどうか、ってね、酒臭いだろ、オレ?」
「ううん、、、平気、」
「そっか、じゃ、こっちにおいで、」


友美さんはしおらしく私の傍らにきて、目を閉じました。

私は友美さんの唇にそっとキスをしました。

私は心の奥底に何かを感じました。


ジェラシー。


昨夜の出来事が私の脳裏に浮かび上がって、
私は友美さんを確認したくなった。

君の心はオレのもの、だよね!


私はたまらずぎゅっと友美さんを抱き締め、
耳元で「抱きたい」と囁きました。


友美さんは、「夜に、お願い、」と甘えた声で言いました。



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