J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年03月13日(木)    私は、そのまま寝た、のです。

J (2.結婚)

4. 二次会 (18)


勝負はあっという間に終わりました。

私は一瞬の懐疑の中で出遅れて、途中でリタイアしてしまいました。

勝ったのは長谷部健二ではなく、鏑木さんでした。

長谷部健二は私がリタイアしたのを見、ペースを落としたのでした。




勝負が終わると私は急に酔いが激しく回った感がありました。
私はもう飛んでしまっていました。


その後もいろいろとバカ騒ぎが続きました。
ですが私は断片的にしか思い出せません。
もう記憶の外の出来事となってしまっています。


二次会が終わり、三次会に行き、四次会へ、、、。


誰がどうしていたかも思い出せません。
いつしかひとりふたりいなくなって、
最後はよく知った仲間内だけになっていたようです。


長谷部健二は二次会で帰ったようです。
いや、三次会だったかもしれません。

いずれにせよ、私はその時以来、長谷部健二とは会ったことはない。
ですが、たった一回の邂逅で固く私の脳裏に焼きついたあの男。
友美さんを呼び捨てにしたあの男。


レイは三次会の途中で帰りました。
たぶん終電になって会社の連中と一緒に帰ったはずです。
私は「じゃな、あと頼んだぞ、」と大声をかけた記憶があります。

その時のレイは、「ハイ、」と言い、手を小さく振って出て行きました。
私も手を振った、小さく、。


四次会では私はまったく時間の観念を失っていたようです。



午前2時を回ろうかという時間になって、
その時に残っていた誰かがタクシーを呼んでくれて、
私と友美さんが押し込まれ行き先を告げられ家路についた、、、。


新居である社宅に着いた途端、
私はトイレに行きベロベロに吐いた、、、。


そして、私は真新しいふとんに潜り込むようにして入り、そのまま寝た。


何もせずに、そのまま寝た。

友美さんの隣でそのまま、寝た。


ひとつになることもなく、そのまま寝た、のです。


私と友美さんの新婚生活はこうして始まったのでした。



(4.二次会、の項 終わり)



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