J (2.結婚)
1. 結婚前夜 (1)
私の結婚は差し迫っていました。
こよみをめくればもうその日は目前でした。
レイとのことはその忙しさの中で埋もれていきました。
その間、友美さんの妊娠は確実なものとなりました。
そのことで、私の中での友美さんは、
今までと違った存在感を持つようになりました。
こんな私の子どもを産んでくれるという、ただ一人の特別な存在、、、
トモミさん、、、
レイとのことで自分の存在意義を見失っていた私にとって、 友美さんの妊娠は、私に大きな喜びを与えてくれたのです。
私の子ども、、、
私の子どもを産んでくれる友美さん、、、
私は生涯を費やして、 子どもと友美さんの幸せのために生きるのだ、
私はそういう生きがいを見出しました。
そして私の結婚への迷いは徐々に消えていきました。
もとより、私の迷いとか、レイへの恋愛感情とか、は、 誰も知ることのない私の心の中だけでおこっていたことです。
表面上は、 幸せな結婚を控えて前途洋々たる私、でした。
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