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幼馴染とは

 我が家は「店がそのまま自宅」タイプの商店街の中にある。で、我が家から半径約10メートル以内に、ウチより1個上のAくん宅、ウチより2個下のBくん宅がある。

 今でこそ、我が家の前の道路は車通行ができるけれど、もっと昔は歩行者天国だった。店を閉めてからの時間、彼らとウチとウチの妹とで、サッカーボールの蹴り合いだとか、キャッチボールもどきだとか、縄跳びを繋ぎ合わせて長くしての長縄跳びだとか、そういうことをして遊んでいた。それが、ウチが小学校に上がった年くらいに歩行者天国じゃなくするための工事が行われて、外で遊べなくなった。その頃からだんだんと疎遠になって、繋がりは朝の登校班だけという感じになった。AくんとBくんにもそれぞれ兄や姉や妹がいるんだけど、ウチよりも5つ以上上だったり下だったりで、一緒に何かした記憶がない。名前は全員わかるんだけど…。

 顔は覚えていないけれど、ウチよりも7つくらい上のCさん宅も近くにある。直接遊んだ記憶がウチにはないけれど、Cさんから譲り受けたという玩具が大量に家にはあった。

 最近、Aくんは九州で働いているんだってとか、Bくんは大学でも野球を続けているんだってとか、Cさんは2人目の子供が生まれたんだってとか、そういうことを親伝いに聞くことが多くなった。

 たとえば。仮に工事が行われることなく、小さいうちはいつまでも普通に遊び続けて、学年が上がるにつれて少しずつ離れたのだったら、今でも道端で会うと普通に話せるんだろうか。たとえば、一緒に遊ぶことはなくなっても雑談くらいする間柄のままだったら、今、お互いの携帯のアドレスを知っていたりするんだろうか。

 別に、彼らの携帯のアドレスが知りたいわけじゃなくて、ウチと彼らは家こそ近所だけど、幼馴染とは呼べないんだろうなぁ、と、今日たまたま帰ってきているらしきAくんを見かけてふと思った。幼馴染って、どういうふうな人たちをいうのかなぁ。小学校からの友達って、幼馴染なのかなぁ…。わかんない。
2006年01月23日(月)

にっき / ますみ
エンピツユニオン