[ カボチャ大王って何者!?「死霊の王」2 ] 2003年09月30日(火)
(前回よりつづく)
時代でただひとり、選ばれた少女、バフィー。
ハロウィーンの夜、サニーデイルで起こった
きわめつけの怪異とは?
ヴァンパイヤ・スレイヤーであるバフィーを殺そうとする
化け物は、カボチャ大王!
が乗り移った案山子!!
強いのか弱いのかわからなくなりそうですが、
実際、バフィーが感じた恐怖は並大抵ではなかったのです。
その前に、本書ではハロウィーンの成り立ちも説明されています。
ハロウィーンはケルト文明に由来しており、
当時の1年は2月に始まり、10月に終わっていました。
冬の11月から1月の間は、暗黒の期間であり、
人界と魔界の門が開くので、死者が生者の世界に
さまよい出て来るとされました。
そこで死者たちを迎えるための儀式が行われ、供物が捧げられますが、
これは彼らを大人しくさせ、人々に災いがないようにとの信仰でした。
この暗黒の期間は、サムヒュインと呼ばれました。
後に信仰は薄れ、サムヒュインは10月31日から11月2日までとなります。
イギリス国教会がケルト民族を改宗させてからは、
10月31日は万聖節、ハロウィーンと呼ばれるようになったのです。
この夜だけが、解放の日となりました。
ここにもうひとつ、サムハインという似た名称が登場。
サムヒュインとは、闇の季節とその儀式をさし、
サムハインはハロウィーンの精霊で、地上をさまよう死者たちの
魂の王の名前だ、と頼りになる我らがジャイルズは説明してくれます。
バフィーたちの今回の敵は、このサムハイン。
「人間が出現する以前に世界を棲処としていた魔物」で、
「ケルト民族によって神々の一員として祀られた」というのです。
そしてサムハインが乗り移るのが、カボチャ畑の案山子なのです!
サムハインは、魔物の宿敵スレイヤーの血を味わおうと、
人食いカボチャたちを手下に、襲いかかります。
ハロウィーンの夜、和平協定の切れる夜に。
タイトルになっている「ハロウィーン・レイン」については、
バフィーの親友ウィローが土地の伝説として説明してくれます。
ハロウィーンの夜に降る雨には邪悪な魔力があって、
濡れた案山子の領地に足を踏み入れた者は、
案山子にひどい目にあわされる、というもの。
これって、いわゆる秋の長雨のシーズン?
カボチャ畑なんていう、一見平和そうな場所で起こる
死闘には、さすがのバフィーも普通の人間並みの恐怖を感じます。
カボチャ頭の案山子が、じわじわと追い詰めてきたら、
あなたはどうやって戦いますか?
鋭利な藁の手をかざして、案山子は迫ります。
「スレイヤアアアア」
…ライナスは、こんな恐ろしい魔物を待っていたの?
(マーズ)
「死霊の王」 著者:クリストファー・ゴールデン&ナンシー・ホルダー / 訳:矢口悟 / 出版社:ハヤカワ文庫2001
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☆「死霊の王」ハヤカワ文庫2001(現在版元品切れ)
原作「Buffy the Vampire Slayer #2:Halloween Rain」(洋書)
・デジタル(E-BOOK: Adobe Reader)
・出版社:Simon & Schuster Merchandise(ペーパーバック)
→ デジタル版は、amazon.co.jpにてすぐにダウンロードできるようです。
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