朝の天気では、雨がふりそうだったので、傘を持って出かけたが、車に置き忘れる。帰りの天気は、やはり、雨。置き傘も先日使ったばかりでなし。そうゆう運命なのよね、こんな時って。しかも雨脚が強くなってきている。人に借りるのも嫌だし、借りる人もいないし、スーパーで安い傘を買いに行こうにも、たった数十メートルしか離れてないのに、濡れそぼってしまいそうなので、贅沢ですが、タクシーで、家の近くの商店街まで。そこから家に電話をし迎えに来てもらう事に。しかし、今日の運勢は悪かったのでしょう、タクシー降りてアーケードの下で電話をしてる時に、職場の変人を目の端で発見。恐怖。(*o*)。仕方ないので、わき道にそれ、テクテクと歩く事に、少し小雨になってたので助かりましたが、タクシー使って帰った贅沢が、全て不運になってしまって、鬱憤がたまってしまいました。ふん。(-_-メ)
今日の天気にあわせて、前に書いた未完成の落書きをば。
「梅雨」
雨、雨、雨。 昨日の夜から絶え間なく。 小降りになったかと思えば、激しい雨音が聞こえ、 そのまま豪雨になるかと思えば、またしとしとの雨音が戻ってきた。 とにかく蒸し暑かった。 髪が襟足に纏わりつき、気持ち悪かった。 そんな寝苦しさからか、断続的な眠りが余計に疲れを生んだ。
窓べに身体を寄せる。 雨音と蛙の鳴声だけが、聞こえていた。 他には何も聞こえなかった。 朦朧とした意識のなか、窓を開けた。
湿気が部屋を濡らしていくのを、肌で感じる。 何故か気持ちよかった。 モノトーン色の空を見上げる。 止まないと判っている空から落ちるのは、やはり雨。 腕時計は何処にいったのだろうか。 時間は定かではなかったが、もう明け方だったに違いない。
「どうした、傷が疼くのか」
雨脚が強くなり、ふすまを開ける音がかき消されたのだろう。 突然の声の出現に愕いたものの、振り返りなにげに返事を返す。 「いえ、あなたこそどうしてここに。今朝は出掛けなくて良いのですか」 「今日一日は、君の側にいよう」 ばからしい提案に、一気に不機嫌になる。 「雨の季節は出掛けるのが、億劫になりますからね」 「君が心配だからといってるのに、まったく正直じゃないな。眠れなかったのか」 「この雨ですから」 「雨が、嫌いか」 何気ない言葉だったが、好き嫌いの感情を聞いてくる質問に答えたくなくて、逆に聞き返す。 「お好きですか?」 わざと、皮肉っぽい笑いを口もとに浮かべながら、聞く。 同様に皮肉っぽい応えが返ってくるものと思って。 しかし、その答えは意外だった。
「あぁ、人を家に閉じ込めるから」
正直すぎて面食らった。 思わず窓辺から身を引き、まじまじとその人の顔を見る。 「人を囲うのが、好きなのですか」 「まさか、言葉は正確に聞きとるものだよ。私が云ったのは「閉じ込める」だ」 「だから、閉じ込めるってことは、、、まさか監禁?」 私の驚きがもろに表れたのが愉快だったのだろう、その清廉な顔が苦笑にゆがみ、くっくっと笑い始める。 「私が云うのは、人が人を閉じ込めるんじゃなく、雨が、人々を家から出ようする状況にさせてないってことだ。それは誰に強制されたものでもない。けど、人は一歩も勇んで出ようとはしないね。そうだね、人が自分を自分で監禁させてるようなものかな、まあ、閉じこもりに近いかな。一時的なな」 「変わっていますね」 「好き嫌いの問題だけと思うが」 「ということは、あなたはこの季節が好きなんですね」 もう一度念押しして聞く私に、その人は答える代わりにふんと鼻で笑った。 やはりひねくれてる私と一緒だ。 そう思うと、なんだかおかしく、久しぶりに声をだして笑った。 「初めて笑ったな」 「そうですか?梅雨のせいでしょう」
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