ととさんの日記

2003年06月12日(木) 雨、雨、雨

朝の天気では、雨がふりそうだったので、傘を持って出かけたが、車に置き忘れる。帰りの天気は、やはり、雨。置き傘も先日使ったばかりでなし。そうゆう運命なのよね、こんな時って。しかも雨脚が強くなってきている。人に借りるのも嫌だし、借りる人もいないし、スーパーで安い傘を買いに行こうにも、たった数十メートルしか離れてないのに、濡れそぼってしまいそうなので、贅沢ですが、タクシーで、家の近くの商店街まで。そこから家に電話をし迎えに来てもらう事に。しかし、今日の運勢は悪かったのでしょう、タクシー降りてアーケードの下で電話をしてる時に、職場の変人を目の端で発見。恐怖。(*o*)。仕方ないので、わき道にそれ、テクテクと歩く事に、少し小雨になってたので助かりましたが、タクシー使って帰った贅沢が、全て不運になってしまって、鬱憤がたまってしまいました。ふん。(-_-メ)

今日の天気にあわせて、前に書いた未完成の落書きをば。

「梅雨」

雨、雨、雨。
昨日の夜から絶え間なく。
小降りになったかと思えば、激しい雨音が聞こえ、
そのまま豪雨になるかと思えば、またしとしとの雨音が戻ってきた。
とにかく蒸し暑かった。
髪が襟足に纏わりつき、気持ち悪かった。
そんな寝苦しさからか、断続的な眠りが余計に疲れを生んだ。

窓べに身体を寄せる。
雨音と蛙の鳴声だけが、聞こえていた。
他には何も聞こえなかった。
朦朧とした意識のなか、窓を開けた。

湿気が部屋を濡らしていくのを、肌で感じる。
何故か気持ちよかった。
モノトーン色の空を見上げる。
止まないと判っている空から落ちるのは、やはり雨。
腕時計は何処にいったのだろうか。
時間は定かではなかったが、もう明け方だったに違いない。


「どうした、傷が疼くのか」

雨脚が強くなり、ふすまを開ける音がかき消されたのだろう。
突然の声の出現に愕いたものの、振り返りなにげに返事を返す。
「いえ、あなたこそどうしてここに。今朝は出掛けなくて良いのですか」
「今日一日は、君の側にいよう」
ばからしい提案に、一気に不機嫌になる。
「雨の季節は出掛けるのが、億劫になりますからね」
「君が心配だからといってるのに、まったく正直じゃないな。眠れなかったのか」
「この雨ですから」
「雨が、嫌いか」
何気ない言葉だったが、好き嫌いの感情を聞いてくる質問に答えたくなくて、逆に聞き返す。
「お好きですか?」
わざと、皮肉っぽい笑いを口もとに浮かべながら、聞く。
同様に皮肉っぽい応えが返ってくるものと思って。
しかし、その答えは意外だった。

「あぁ、人を家に閉じ込めるから」

正直すぎて面食らった。
思わず窓辺から身を引き、まじまじとその人の顔を見る。
「人を囲うのが、好きなのですか」
「まさか、言葉は正確に聞きとるものだよ。私が云ったのは「閉じ込める」だ」
「だから、閉じ込めるってことは、、、まさか監禁?」
私の驚きがもろに表れたのが愉快だったのだろう、その清廉な顔が苦笑にゆがみ、くっくっと笑い始める。
「私が云うのは、人が人を閉じ込めるんじゃなく、雨が、人々を家から出ようする状況にさせてないってことだ。それは誰に強制されたものでもない。けど、人は一歩も勇んで出ようとはしないね。そうだね、人が自分を自分で監禁させてるようなものかな、まあ、閉じこもりに近いかな。一時的なな」
「変わっていますね」
「好き嫌いの問題だけと思うが」
「ということは、あなたはこの季節が好きなんですね」
もう一度念押しして聞く私に、その人は答える代わりにふんと鼻で笑った。
やはりひねくれてる私と一緒だ。
そう思うと、なんだかおかしく、久しぶりに声をだして笑った。
「初めて笑ったな」
「そうですか?梅雨のせいでしょう」


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